中小企業の持続的成長へ意見書 振興会議、市に提言 DX・人材育成推進など求める
宮古島市中小企業振興会議(砂川朗会長)は20日、宮古島市(嘉数登市長)に地域経済の持続的発展に向けた「令和8年度中小企業振興施策の推進に向けた意見書」を提出した。根路銘康文副会長から嘉数市長に意見書が手渡され、生産性向上に向けたデジタル化(DX)の推進、実践的なリスキリング・人材育成の推進、健康経営のさらなる推進3項目を重点的に取り組むよう要望。その後の懇談では、人材不足解消に向けたデジタル技術の活用やリスキリング支援、離島特有の課題解決などで意見を交えた。
意見書では中小企業を取り巻く環境について、深刻な少子高齢化に伴う人手不足をはじめ物価や原材料費、輸送費、人件費の高騰、急速に進展するデジタル技術への対応といった課題を指摘。離島という地理的要因による市場規模の制限や、物流コストの制約など複合的な要因が事業の継続や成長を阻害しているとの認識が示された。
昨年度の同会議による提言を受け、市は健康経営の推進に向けた連携協定の締結や健康診断費補助制度の創設、奨学金返還支援事業の拡充などの具体的な施策が実現しており、今回の意見書ではこれら成果を評価しつつ更なる施策で議論を行った。
①生産性向上に向けたデジタル化の推進は、単なるITツールの導入支援にとどまらず、各企業の課題把握からデジタル人材の育成まで導入後の定着を見据えた伴走型の支援体制構築を求めている。
②実践的なリスキリング・人材育成の推進は、従業員の能力向上を目的とした実践的な学びの機会を提供し、業務改善や生産性向上、人材定着へつなげる視点を重視。沖縄本島や県外への渡航を伴う研修・資格試験参加に対する離島特有の旅費負担軽減策の検討を求めた。
③健康経営のさらなる推進では、健康経営優良法人の認定取得に要する経費支援や、中小事業者向け健康診断費補助制度の対象拡大など従業員の健康管理と職場環境整備を支援する施策の拡充を提言した。
意見書を受け取った嘉数市長は感謝を述べるとともに「現場のニーズを幅広く汲み取り、効果の高い事業へつなげていくことが重要。次年度の予算編成に向けてしっかりと反映させていきたい」との考えを示した。離島ならではの旅費負担やDX支援、リスキリングを通じた所得・給与の向上、健康経営の重要性を強調し、行政と産業界が一体となって取り組む姿勢も示した。
意見交換の席上では支援制度、補助金が特定の事業者に偏りがちであるという実態や、導入されたデジタル機器を現場で使いこなせていないとの課題も共有。これに対し嘉数市長は、成功事例の水平展開や商工団体などとの連携強化を通じ、地域全体で中小企業を支える体制づくりの必要性を強調した。
同会議は今後も現場の声を市へ届け、中小企業が持続的に成長できる環境整備に向けて積極的な提言を続けていく方針だ。



