ANA、下地島でパイロット訓練再開へ 11月から13年ぶり実機離着陸 操縦枠の確保狙う 市長に実施計画を説明
全日本空輸(ANA)は今年11月から、下地島空港で約13年ぶりとなる実機を用いたパイロット(運航乗務員)の連続離着陸訓練(タッチアンドゴー)を再開する。将来的なパイロット不足を見据えた養成体制の強化が狙い。11月と来年の2~3月の2回にわたり、エアバス機による訓練を行う計画。28日、同社の取締役執行役員の阪部亮フライトオペレーションセンター長らが市役所に嘉数登市長を訪ね、訓練計画の概要と再開に至る経緯を説明した。
説明によると運航乗務員の操縦訓練は、愛知県の中部国際空港で実施しているが訓練枠の逼迫やコロナ禍以降の定期便回復に伴い混雑が激化し、訓練用滑走路の確保が困難となっているとのこと。こうした課題を受け、かつてパイロット訓練拠点の中心であった下地島空港での再開を検討し、関係各所の協力のもと受入態勢を整えた。
計画によると2026年度は、11月1日から20日までの日程で実施する。訓練生8人に対し教官5人体制で臨み、期間中に約240回の離着陸訓練を予定しており、一日あたりの訓練時間は午前9時~午後4時半の間で定期便運航に影響が出ないよう配慮しつつ、スケジュールを調整するという。
現在、下地島空港は定期便の影響が比較的少なく、空域を効率的に活用できる利点がある。空中での不要な待機時間を削減し、密度の高い実演訓練が行われるメリットが大きい。
嘉数市長は、下地島空港での訓練再開を歓迎し「しっかり安全確保して訓練していただきたい」と要望。ANAの東京直行便開設が観光振興や経済効果に大きく寄与している点を評価した上で、さらなる振興に向けた協力を求めた。
訓練の課題としては、大型機の訓練受け入れ態勢も挙げた。ボーイング777、787の大型機は中部空港等で訓練を行っているが、下地島空港では燃料供給施設などの受け入れ環境に制限があるため小型機の訓練になる。
説明後、取材に応じた阪部フライトオペレーションセンター長は「下地島は多くの先輩方が学び、私自身も育った場所。さまざまな思いがある中で13年ぶりに訓練ができることは感無量。安全な訓練運航で取り組んでいきたい」と話した。



