旧盆の「送り日」各地域で多彩に 祖霊を無事、あの世へ送り出す
旧盆(ストゥガツ)の最終日にあたる27日、宮古島市内各地域で帰郷した先祖の霊をあの世へと送り出す「送り日」の伝統行事が行われた。各家庭では親族が集まり、仏壇に果物や重箱を供えて手を合わせた。夕方から深夜にかけては、先祖があの世で使うお金とされる「打ち紙(ウチカビ)」を焼き、家内安全や子孫繁栄を祈願した。伊良部南区では子どもたちが仏壇のお下がりを集めて回る伝統の「フニウガマアビスウ」が行われるなど、集落ごとに独自の風習が繰り広げられた。
宮古島地方の旧盆は、旧暦7月13日にあたる25日の「迎え日」から始まり、27日の送り日まで3日間にわたり行われた。この日、市内の住宅街や集落では、多くの帰省客を交えた親族が仏壇を囲んだ。
平良市街地を中心とする多くの家庭では、夜間に先祖を送り出す儀式が執り行われた。家族一同が線香をあげて先祖の滞在に感謝を述べた後、金属製の鉢の中でウチカビを丁寧に燃やし、あの世への旅路の安全を祈った。集落によっては、先祖を見送った安堵と感謝を込め、住民らが円陣を組んで伝統舞踊の「クイチャー」を力強く踊り、大地を踏み鳴らす光景が見られた。


一方、伊良部島の佐良浜(前里添、池間添)では送り日の午前中にウチカビを焼く家庭もあり、ご先祖さまの帰還が少し早い。南区(伊良部、仲地、国仲、長浜、佐和田)では、ウチカビを焼き終わった直後から独自の行事「フニウガマアビスウ」が展開される家庭もあった。仏壇から下ろしたスイカ、パイナップル、バナナ、お菓子などの供物を家の外に用意すると、地域の子どもたちは手に持った大きな袋の中に次々とお目当ての供物を入れていった。
長浜集落で子どもたちを迎えた60代男性は「ことしも多くの子どもが元気な声を響かせて果物を取りに来てくれた。子のにぎやかな姿を見ると、旧盆が無事に終わったと実感する」と目を細めていた。



