上級者用の教本

宮古上布保持団体、上級者用の教本作成

 宮古上布保持団体(新里玲子代表)は2021年度伝承者養成事業として「重要無形文化財宮古上布染織技術テキスト」=写真=を作成した。絣括り、藍染め、織り、洗濯・砧打ちの工程の作業をより詳細に記した上級者用の教本となっている。

 今回の教本作成にあたって16年度から編集委員会を設置し、広く意見を求めてきた。初心者ではなく織りの研修を修了したレベルの伝承者向けとし、一通りの作業を自分で行うことのできる内容を目指して作られた。
 上布の歴史や技法・図柄の変遷については簡略にまとめ、糸績みや締め機の技術は省略した。絣括りでは原形的な絣と緻密な十字絣の製作、染めでは藍染めとその他植物染め、織りは長さ12㍍60㌢の反物を製作する場合、洗濯・砧打ちの作業の流れなどを詳しく解説している。
 同じ工程でも技術者によって違う技法があれば欄外に記載。聞き取った技術は「こぼれ話」のコーナーを設けてできる限り情報として伝えており、藍染めでは「藍の生葉染めをする人もいる」「藍が弱ったとき塩を入れると良いと言われていた」などの話を紹介した。

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