米兵強盗殺人で沖縄県が政府要請 日米地位協定改定と「政策協議会」早期開催求める
那覇市内で発生した米海兵隊員による強盗殺人事件を受け、沖縄県(古謝玄太知事)は7日、高市早苗内閣総理大臣、木原稔内閣官房長官、小泉進次郎防衛大臣、茂木敏充外務大臣宛てに抗議と要請書を提出した。事件に対し「断じて許せるものではなく、強く抗議する」と怒りを表明。米軍の捜査協力や綱紀粛正、日米地位協定の見直しを含む抜本的策の実施を強く求めるとともに、基地負担軽減や沖縄振興を協議する「沖縄政策協議会」の早期開催を政府に強く要請した。
要請書では、10月4日に米軍普天間飛行場所属の海兵隊上等兵の男が強盗殺人容疑で緊急逮捕された事案について言及。平成28年や31年にも女性殺害事件が発生している中で再び県民の尊い命が奪われた現状に対し、「米軍の綱紀粛正や人権教育等が全く機能していないと言わざるを得ない」と非難した。悲惨な事件を繰り返させないため、米軍および日米両政府の責任のもとで実効性のある対応と地位協定の改定が必要であると訴えた。
また、全国の在日米軍専用施設面積の約70・3%が集中する過重な基地負担が県民生活や都市整備、経済振興の大きな制約になっていると指摘。一人当たり県民所得が全国最下位にとどまる中、基地負担軽減と振興施策を一体で協議する場として「沖縄政策協議会」を早急に開催するよう申し入れた。
【要請書全文】
次のとおり要請しますので、御対応をお願いいたします。
1 沖縄政策協議会の早期開催について
本県は、国土面積のわずか0.6パーセントに過ぎませんが、在日米軍専用施設面積の約70.3パーセントに及ぶ広大な米軍基地が市街地を分断する形で存在しており、望ましい都市形成や交通体系、産業基盤の整備など沖縄振興を図る上で大きな制約となっております。
これまでの沖縄振興策の推進により着実な成果が現れている一方で、一人当たり県民所得は依然として全国最下位の水準にあるなど、自立型経済の構築はなお道半ばにあります。
また、米軍基地の過重な負担は、米軍人等による事件・事故のほか、航空機事故や日常的に発生する騒音、自然環境の破壊など、周辺住民をはじめ、県民の生活にも様々な影響を及ぼしています。特に、今般の強盗殺人事件については、県民に大きな衝撃と不安を与えており、このような事件が二度と起きないよう早急な基地負担軽減が求められます。
つきましては、基地負担軽減や沖縄振興について協議するため、沖縄政策協議会を早期に開催するよう要請します。
2 那覇市における米海兵隊員による強盗殺人事件について
令和8年10月4日、米軍普天間飛行場所属の海兵隊上等兵の男性が強盗殺人容疑で緊急逮捕されました。
今回の事件は、殺人事件でかつ他人の財産を奪うという、極めて悪質で、県民に大きな不安を与える事件であり、断じて許せるものではなく、強く抗議します。
県はこれまで米軍人・軍属等による事件・事故が発生する度に、綱紀粛正、再発防止及び教育の徹底等を米軍等に何度も繰り返し強く申し入れてきました。
平成28年及び平成31年にも女性が殺害される事件が発生している中でこのような事件が起き、県民の尊い命が失われたことは、大変遺憾であり、激しい怒りを覚えます。
県としては、これまで、事件が起こるたびに米軍に対し再発防止を求めているものの、このような事件が再び起きたことは、米軍の綱紀粛正、人権教育等が全く機能していないと言わざるを得ません。
このため、米軍による捜査への全面的な協力、米軍人等の綱紀粛正及び再発防止の実施を強く求めます。また、このような悲惨な事件が二度と起きないよう、米軍及び日米両政府の責任において、日米地位協定の見直しを含め、実効性のある抜本的な対策を講ずるよう強く求めます。
令和8年10月7日
沖縄県知事 古謝玄太



