1972年の航空写真(左)と87年の写真(右) =市総合博物館

復帰50年記念 当時の宮古を写真で 市総合博物館

 市総合博物館(友利浩幸館長)のミニ展示「本土復帰50周年関連パネル展」が28日から始まった。1960~70年代、復帰当時の宮古の様子や人々の生活などの写真や映像を展示し、時代の移り変わりを紹介している。また2021年6月に新種として発表され、種の保存法に基づく緊急指定主に指定された宮古島固有種ベニエリルリゴキブリの標本も初公開している。

 パネル展では1972年と87年に撮影された宮古島の航空写真を並べて展示しており、復帰前後で開発が進んで緑地が減り、市街地が発展して住宅が増えていく様子が見られる。
 旧市町村が所蔵していた写真では、平良地区が72年に撮影された公設市場の賑わいや「花笠ターミナル」前の76年に宮古空港で南西航空機に搭乗する人たち、城辺地区は65年の小学校と映画館、下地地区は65年にヘリコプターで来島したワトソン高等弁務官を見守る来間小中学校の生徒、上野地区は71年の吊り橋(現ドイツ村内)、伊良部地区は72年のハーリーなどを展示している。
 今回の展示は当時を知る世代は復帰前後の時代に思いを馳せ、知らない世代は当時を知る機会とするため開催。友利館長は「市民に当時を思い出してもらい、空港や港など現在との変化を見比べてほしい」と話している。
 ベニエリルリゴキブリは、発見者である静岡県磐田市の竜洋昆虫自然観察公園の柳澤静磨さんから寄贈されたもので、同公園と同時公開している。森に住んでいることや種の保存法で指定から3年間は捕獲、採取、殺傷、譲渡、販売目的の陳列が禁止されていることなどを紹介している。
 本土復帰パネル展は展示場所などを変えながら来年3月末まで行っていく。ベニエリルリゴキブリの展示は来月15日まで。大型連休中は29日「昭和の日」、5月5日「こどもの日」も開館(5月2~4日休館)し、高校生以下の入館料は無料になる。

ベニエリルリゴキブリ

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