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日韓関係はなぜ接近しているのか 安全保障の視点から見る戦略的必要性

読売新聞社と韓国日報社が実施した共同世論調査において、現在の日韓関係を「良い」と評価した割合が日本で59%、韓国で66%に達し、調査開始以来の最高値を記録した。

この数字は、過去の歴史認識問題などをめぐる対立で冷え込んでいた時期を知る者にとっては、劇的な変化として映るだろう。文化交流や観光といったソフトパワーの要因も大きいが、両国の世論がこれほどまでに接近した背景には、東アジアを取り巻く厳しい安全保障環境の構造的変化がある。

安全保障の視点からこの世論の動向を読み解くと、日韓が理念的親近感だけでなく戦略的必要性を共有せざるを得ない現実が浮かび上がる。

最大の要因として挙げられるのが、中国の急速な軍事力強化と海洋進出、そして北朝鮮による核・ミサイル開発の加速という共通の脅威の存在である。特に中国による現状変更の試みは、東シナ海や南シナ海、さらには台湾海峡の緊迫化を招いており、サプライチェーンの維持や海上交通路の安全確保は日韓双方にとって死活問題となった。

北朝鮮による変則軌道ミサイルや潜水艦発射弾道ミサイルなどの技術向上も、両国に直接的な軍事的圧力を与えている。個別の二国間問題で対立を続けるよりも、直面する安全保障上のリスクを低減させるために互いを必要不可欠な存在として再定義せざるを得ないという環境が、国民の意識にも強く反映されている。

日米韓の枠組みの強化も後押し

さらに、米国による同盟戦略の変容と日米韓の枠組みの強化が、両国の世論を後押ししている。米国のトランプ政権の外交姿勢に対しては、日韓ともに信頼性に一定の警戒感や不確実性を抱いており、米国だけに依存する安全保障体制への不安が底流にある。

こうした中で、2023年のキャンプ・デービッド首脳会談以降に構築された日米韓の防衛協力の枠組みは、実務レベルでの情報共有や共同訓練として定着してきた。

米国を媒介としつつも、日韓が直接的に安全保障協力を深めることが、地域の抑止力を維持するために極めて現実的な選択肢であるという認識が、両国国民の間で戦略的合理性として広がっていると考えられる。

ただし、この良好な世論の裏には、日韓両国の防衛協力に対する温度差という冷徹な現実も潜んでいる。

日本側は中国の台頭や海洋進出に対する共同対処の意識が強いのに対し、韓国側は経済的な結びつきが深い中国との過度な対立を避けたがる傾向があり、対中貿易を重視する視点も根強い。

また、政権交代によって外交方針が大きく揺れ動いてきた歴史を鑑みれば、現在の状況が今後も長期的に持続するかは分からない。それでも、地政学的な危機が深刻化する今日の東アジアにおいて、安全保障上の国益を合致させる取り組みが、日韓の世論を最良の域へと押し上げる強力な推進力となったことは紛れもない事実であろう。

文/和田大樹 内外タイムス

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