ハブクラゲ被害防止へ環境DNA検出 東北大・シェリル教授ら市長表敬 パイナガマ等で事故防止調査
東北大学農学研究科・農学部国際海洋科学WPI‐AIMECのエイムズシェリル教授ら研究グループが1日、嘉数登市長を表敬訪問した。強い毒を持ち、海水浴客やマリンレジャーを楽しむ人々に被害をもたらす「ハブクラゲ」の刺傷事故を未然防止に向け、パイナガマビーチを対象に水中の遺伝情報を解析してハブクラゲの存在を迅速に検出する「環境DNA」技術を用いたキットをビーチ周辺に設置し、分析を進めていく調査研究などの取り組みを説明、報告。宮古島での発生原因解明と安全な海辺環境の構築へ意欲を示した。
沖縄県内の沿岸域では、ハブクラゲによる刺傷事故が毎年発生しており、特に子どもを中心に生命や健康を脅かす重篤な被害につながることから未然防止が大きな課題となっている。シェリル教授はカナダ出身。琉球大学で修士号を取得して以来、長年にわたりハブクラゲの研究に取り組んでいる。
今回の調査研究では東北大学をはじめ県薬務生活衛生課、県衛生環境研究所、沖縄科学技術大学院大学(OIST)、産業技術総合研究所(AIST)、県環境科学センター、黒潮生物研究所などの行政・研究機関が連携して迅速検出や発生源推定など原因の解明にあたっている。
調査対象の一つとして選ばれたパイナガマビーチは市民や観光客に親しまれる代表的な海岸である一方、昔からハブクラゲの発生が確認されている地点。通常、ハブクラゲの発生には河川の存在が関わるとされるが、明瞭な河川が少ない宮古島でなぜ多発するのかについて、生活雑排水の影響や埋め立て前の環境要因なども含めて解明を進める考えだ。
席上でハブクラゲ被傷経験を明かした嘉数市長は「市民や観光客の安全安心な海の利用環境づくりにつながる重要な研究。治療法の開発や他分野への基礎研究応用も含め、市としても全面的に協力したい」と歓迎。シェリル教授は協力に感謝し「宮古島とその浜辺において安全安心な海の利用環境づくりに役立てるよう取り組んでいきたい。宮古島で培われた研究成果が同様の被害を受けている島内外や国外の沿岸地域の安全につなげていけるようにしていきたい」と語った。
滞在期間中には昨年に続いて意見交換が行われ、シェリル教授や県職員、地元の関係者らが研究の進め方や課題などを共有した。



