• HOME
  • 記事
  • 投稿・案内
  • 【投稿】「最後の砦」の人にあなたはコーヒーを奢れますか!―私たちと共に生きる自衛官への敬意を― 下地在住 浅野 潔

【投稿】「最後の砦」の人にあなたはコーヒーを奢れますか!―私たちと共に生きる自衛官への敬意を― 下地在住 浅野 潔

 先月、自衛官の尊厳を傷つける不適切な言動が相次ぎました。国会議員による「貧しい子どもたちしか自衛隊に行かない」という失言、地方議員による「迷彩服で歩くと観光客が減る」という発言、そして名古屋大学の学園祭からの自衛隊の排除です。これらは決して看過できない言動であり、国民の一部の方は自衛隊のことを「どこか遠い存在、あるいは忌避すべき対象」と誤解している現状を映しているのではないでしょうか。
 海外に目を向けると、国を守る人々に対する敬意の表し方には目を見張るものがあります。 米国では、民間航空機に搭乗する際、ファーストクラスの乗客と並んで「現役軍人」が最優先で機内に案内されます。街のコーヒーショップでは、見知らぬ市民が制服姿の軍人に「あなたの献身に感謝します」と声をかけ、自発的にコーヒーを奢る光景が日常的に見られます。多くの店舗でも、国家への奉仕に対する感謝として、常時一〇%以上の割引を受けられる仕組みが社会のインフラとして深く根付いています。
 翻って我が国の現状はどうでしょうか。優先搭乗の基準は「どれだけお金を使ったか」という商業主義が優先され、国に奉仕する人たちへの視点は全く見当たりません。企業が自衛隊割引を導入しようとしても、一部の過激な抗議を恐れて「事なかれ主義」になってしまう」傾向があります。災害派遣のときだけ感謝しつつも、普段は自衛隊を遠ざけようとする歪んだ空気を感じることはないでしょうか。
 すべての自衛官は、任官時に他の公務員とは決定的に異なる、重い宣誓を行います。「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に努め、もつて国民の負託にこたえる」自らの命を最初から国・国民を守るために差し出すことを誓う職業が、他に存在するでしょうか。この気高い覚悟にこそ、私たちは最大の敬意を払うべきです。防衛大学校の創設期、世間からの激しい非難に苦悩する一期生に対し、吉田茂元首相は「君達が日陰者である時のほうが、国民や日本は幸せなのだ。どうか、耐えてもらいたい。~抜かぬ剣こそ平和の誇り~」と説きました。自衛隊の存在が抑止力として機能しているからこそ、私たちは平和を享受できるという逆説的な真理です。この底流にある精神は脈々と受け継がれ、二〇一一年、東日本大震災という未曾有の国難において、現場の隊員たちは「国難のときこそ自衛隊の出番 我々は最後の砦、後は無い!」という決死の覚悟で泥まみれになり、多くの国民を救い上げました。
 宮古島には陸上及び航空自衛隊の駐屯地・基地があり、隊員たちが三六五日、二四時間体制で警戒監視を続けています。平和をただ「祈る」だけでなく、もしもの時は、私たちのために体を張って献身的に命を守り抜いてくれる人たちが同じ島民としてこの島にいる、とう事実を忘れてはなりません。街中で自衛官を見かけたならば、一人の市民として「いつもありがとうございます」と温かい応援と最大の敬意を示す―それこそが、この島に生きる私たちの、成熟した品格の証明であると信じています。
下地在住 浅野 潔

関連記事一覧