宮古島で初の機動展開演習へ 陸自、5月に空港・港湾を使用 日米共同調整所も初開設
防衛省は24日、南西地域における事態対処能力の向上を目的とした「2026年度陸上総隊演習(南西)」を5月に実施すると発表した。宮古島においては、機動展開や物資輸送を目的として、初めて民間施設である宮古空港や平良港を使用した大規模な演習が行われる。有事の際の実効性を検証するため、宮古島を主要拠点とした初の実戦的な演習が展開されることとなる。
防衛省は、この演習を「南西地域への機動展開および物資輸送の実効性を高めるための極めて重要な機会」と位置づけている。
平良港、宮古空港を初活用
演習期間は5月17日から22日までの6日間で、その前後各1週間程度で準備と撤収作業が行われる予定だ。
宮古島での演習における最大の焦点は、これまで例のない公共インフラの活用。平良港では、大型のPFI船舶を接岸させ、88式地対艦誘導弾(SSM)や96式装輪装甲車、中距離多目的誘導弾といった重量級の車両約37両を陸揚げし、そのまま駐屯地や保良訓練場等への移動を想定した機動展開訓練を実施する。民間航空機が発着する宮古空港においても、自衛隊機による人員・物資の輸送訓練が初めて組み込まれた。
日米連携の拠点を宮古島に
日米共同の枠組みも一段と深まる。宮古島駐屯地内には、演習期間中に「日米共同調整所」が初めて設置される。
ここでは指揮所訓練が行われ、日米間の意思疎通や運用調整の手順を確認する。これに伴い、米軍の人員や通信機を輸送する陸自航空機が航空自衛隊宮古島分屯基地を拠点として使用するほか、城辺の保良訓練場については、演習に参加する米軍の「予備宿泊施設」としての使用が初めて明記された。
これにより、駐屯地や分屯基地だけでなく、保良を含む島内の各防衛施設が、日米の共同運用拠点として機能することになる。


演習の規模と概要
陸上総隊が主催するこの演習は本年度に新設されたもので、陸上自衛隊からは約110人、車両は約37両が参加する。投入される装備品には、88式地対艦誘導弾、装輪装甲車、中距離多目的誘導弾、各種トラック等が含まれる。
石垣島においても同様に空港・港湾を使用した訓練が予定されており、与那国島においては、機動展開訓練、与那国駐屯地内におけるスキャン・イーグルⅡ飛行訓練および警備訓練を実施する計画で、先島諸島全域での展開能力を誇示する内容となっている。
初の試みとなる大規模な公共施設利用に対し、市民への丁寧な説明と安全確保が今後の焦点となる。


