議員研修会であいさつをする上地議長(右奥) =市議会全員協議室

個人情報保護で議員研修 市議会、法改正で全国共通ルール

 宮古島市議会(上地廣敏議長)は21日、全国市議会議長会の本橋謙治企画議事部副部長を講師に招き、個人情報保護条例などに関する議員研修会を開いた。改正個人情報保護法が4月1日から施行され、全国的に共通ルールが適用されることに伴うもの。市当局・市議会がともに、それぞれが所管する業務についての条例案を3月定例会に提出する予定。

本橋謙治氏


 法改正の背景には、社会全体のデジタル化とグローバル化が進む中、「個人情報の保護」と「データ流通」の両立、「国際的制度との調和」を満たした制度が求められる情勢がある。従来は国・民間・各地方自治体がそれぞれ別個に法令を定めていたため、保護水準が国内でも不均衡になっているという課題があった。
 4月1日の改正法施行後は、全国で統一されたルールが適用されることになる。これに伴い、宮古島市は個人情報保護「条例」を廃止。個人情報保護「法施行条例」を制定する。市議会で取り扱う個人情報のルールを定めるには市と別の条例が必要になるため、議会提出議案として条例案が提出される予定。
 議員の求めに応じて当局が個人情報を含む資料を議員に提供する場合、従来は明確な根拠がなかったが、4月以降は改正法に根拠を求めることになる。
 県・市・町村の全国3議長会が、議会が定める条例の参考条文を作成したという。本橋氏は「宮古島市独自の規定について解釈する権利権限はない」としながらも「個人情報はとてもセンシティブ。取り扱いを間違えてしまうと大変なことになる場合があるため、新制度への円滑な移行を願いたい」と述べた。
 本橋氏は本会議と委員会の関係など、議会運営についても講話。宮古島市議会は毎年1回議員研修を開いていたが、コロナ禍で中断していたという。上地議長は「議員の資質と議会機能の向上を図るもの。質疑応答ではぜひ忌憚のない意見を願いたい」と話した。

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