隔離の歴史、正しく学んで ハンセン病パネル展が始動 「らい予防法」廃止30年 市役所、未来創造センターで18日まで
ハンセン病に関する正しい知識の普及、啓発の「ハンセン病問題を考えるパネル展」(県宮古福祉事務所主催)が11日、市役所1階ロビー(高齢者支援課前)で始まった。会場には、かつて国が推し進めたハンセン病隔離政策や宮古南静園の歴史、ハンセン病違憲国賠訴訟の歩みなどを紹介するパネルが並ぶ。今年は「らい予防法」廃止から30年、同法違憲国賠訴訟から25年の節目。主催者は「ハンセン病回復者らへの偏見や差別意識を解消し、名誉回復を図るために県内各地で啓発活動を行っている。市民をはじめ多くの方々に来場いただきたい」と呼び掛けている。
同パネル展セレモニーでは、主催者の大城久和所長が「ハンセン病については誤った知識に基づく隔離政策などが取られたことにより偏見や差別、人権に対する制限、制約が助長され回復者やその家族の方々が長きにわたり、大変辛い思いをされた歴史がある」と言及。「若い世代を含めた市民の皆さんが正しい知識を学び、お互いの人格と個人を尊重し、支え合い、多様性を認め合う共生社会の実現に向けた一助なることを願っている」とあいさつした。
嘉数登市長は「パネル展はハンセン病に関する歴史的経緯や現状について、分かりやすく学んでいただける貴重な機会。来場者の皆さんには展示内容を見ていただくとともに、この問題について改めて考え正しい知識と理解を深めていただきたい」と述べた。
2019年の「ハンセン病元患者家族訴訟」では、家族にまで及んだ被害が明らかになり、国の補償制度が施行された。しかし現在も、周囲の目を恐れて申請に踏み切れない事例が少なくなく、今なお残る偏見の根深さが課題となっているという。
展示パネルには家族裁判の証言も紹介されており、ある70代女性は「夫がハンセン病で長い間いろんな人からいろいろ言われ、子どもも差別を受けながら生活してきました。この思いを一日も忘れたことはないです。国会議員の皆さん、こんなつらい思いを理解して早く解決して下さい」と切実な声を寄せている。
同パネル展は、市役所と市未来創造センター(市立図書館)の2会場で18日まで行われている。


