先島共通課題で初の一括要請 美ぎ島美しゃ市町村会 シェルター維持費など5項目
嘉数登市長は4日の定例記者会見で、宮古・八重山圏域の5市町村(宮古島市、石垣市、多良間村、竹富町、与那国町)で構成する「美ぎ島美しゃ(かぎすまかいしゃ)市町村会」として先月28日に防衛省や財務省、内閣府など関係省庁を訪れ、圏域共通の地域課題に関する要請活動を行ったと発表した。5市町村が足並みをそろえて国へ直接要請したのは今回が初めて。先島地域特有の切実な課題として、特定利用避難施設(シェルター)の維持管理費支援や、自衛隊・米軍訓練での安全対策と事後公表の徹底など重点5項目を強く求めた。
要望項目は、①シェルターの維持管理費に対する国の財政支援②自衛隊・米軍訓練における安全対策および事後公表の徹底③空港・港湾の機能強化④離島住民向け航空運賃低減事業(離島割)の拡充⑤児童生徒の大会・文化活動参加に伴う経済的負担軽減に向けた国の新助成制度創設――の5点。
シェルター整備を巡り市町村会は、整備に伴う自治体の費用負担軽減にとどまらず、施設完成後に生じる維持管理・運営費に対する国の財政支援を訴えた。防衛省側では小鑓隆史防衛副大臣が「政府一体となって取り組む」と応じた一方、担当者からは「平時は地域施設としての利用を前提としているため、維持管理費への支援は制度上難しい面がある」と慎重な説明もあったという。
嘉数市長は、シェルターが国の安全保障および国民保護政策の観点から国の基準で整備される施設である点を挙げ、完成後の維持費負担は極めて重い課題であるとし、引き続き必要な財政支援を求めていく姿勢を示した。
日米共同統合演習(キーン・ソードなど)の自衛隊・米軍訓練については、地域住民の安全安心の確保を最優先とし、事前の丁寧な説明や情報提供に加え、今回新たに「訓練終了後の検証と公表」を項目に盛り込んだと述べた。嘉数市長は会見で「結果を公表することで安全性の確保状況を示し、住民の不安軽減や今後の訓練への理解につなげるため」と述べ、宮古空港で発生した自衛隊機C2のトラブルなどを踏まえ、問題が生じた際の適切な検証と情報公開の重要性とその意図を説明した。
インフラや交通面では宮古空港の滑走路延長、誘導路・エプロン拡張や特定利用港湾に指定されている平良港の施設整備を要望。交通面では現行の離島割制度で対象外となっている路線への支援拡充を求め、圏域の一体的な移動実態に即した支援を訴えた。
児童の子どもたちが部活動大会などで本島や本土へ遠征する際の航空運賃や宿泊費の負担を軽減するためには国による支援が必要だとして「新たな派遣助成制度」の創設を求めた
自身が自衛隊駐屯地を視察した目的や受け止めについては「市民から不安の声が大きかったオスプレイの運用実態や持ち込まれた装備品がどう連携して機能しているかを自分の目で確かめるためだった」と説明。南西諸島を取り巻く安全保障環境の厳しさを踏まえ「一定の訓練の必要性は理解せざるを得ない」と述べつつ自衛隊機のトラブルで民間機に影響が出た点にも触れ、「市民生活に支障を出さない安全対策の徹底と丁寧な情報公開、事後検証を今後も求めていく」と語った。



