羽田発着枠トライアル運航開始で到着した搭乗客に記念品を手渡す関係者ら =27日午後、下地島空港

羽田発着枠獲得へ トライアル運行開始 下地島空港

国土交通省の「羽田発着枠政策コンテスト」で、新型コロナウイルス感染症による旅客需要低迷の影響などを理由に1年延期となっていたスカイマーク(SKY、洞駿社長)の羽田―下地島線の評価対象となる1年間のトライアル運航期間が27日、はじまった。同日午後、羽田空港から到着したスカイマーク機の搭乗客(131人)の出迎え行事が下地島空港で催され、下地島空港活性化協議会(会長・座喜味一幸市長)と同社が到着口で記念品を配布するとともに、地元の伊良部島小学校がエイサーを披露した。

 羽田発着枠は20年5月、国交省が5便分のうち鳥取、石見、山形、大館能代の4空港に配分することを決定。残る1便については総得点で日本航空の三沢線が997点、スカイマークの下地島線が994点と僅差だったため、1年間のトライアル運航実績に基づいて再評価するとした。
 これを受け、スカイマークは同年10月から下地島線で暫定運航をはじめたが、コロナ禍の影響で21年3月からのトライアルが1年延期されていた。下地島、三沢両空港の1年間の旅客数や運航状況などの実績を踏まえ、国交省の外部有識者で構成する評価のための懇談会が開かれ、23年5月ごろまでに残る1枠分が決定すると見られる。
 トライアル運航開始に当たって座喜味市長は、「羽田下地島線は宮古島の観光にとって重要な路線。評価対象期間がはじまったが、官民一体で利用促進の取り組みを行い、羽田発着枠獲得、観光産業の活性化を目指す」と羽田枠獲得による観光振興に期待した。
 洞社長は「今後も安全を第一に定時運航に努め、シンプルで温かく誠実なサービスを身近な価格で提供する。羽田発着枠コンテストに全力で取り組み、長期的な観光振興と地方創生に貢献していきたい」と意欲を見せた。
 下地島空港活性化協議会は、受入環境整備や下地島の航空路線プロモーションなど各種事業の立案、実施を目的に設置。
 27日の出迎え行事には、構成する座喜味市長、県文化観光スポーツ部の宮城嗣吉部長、宮古島商工会議所の下地義治会頭、宮古島観光協会の吉井良介会長、下地島エアポートマネジメントの伴野賢太郎社長、それにスカイマークの洞社長らが参加した。
 国内線到着口前では、関係者が黒糖やパンフレットなどの記念品を搭乗客に手渡し、下地島空港、宮古の魅力をアピールした。また、伊良部島小(結の橋学園)の6年生が卒業記念も兼ねて勇壮なエイサー演舞を堂々と披露し、出迎えを盛り上げた。

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