津波が運んだサガリバナ、防災と観光の融合へ 中央大・有川教授らが現地調査海岸から3キロの謎に迫る、ライトアップは25日から開催
中央大学の有川太郎教授と学生らが16日、平良添道のサガリバナ群生地を訪れ、津波で種子が運ばれて自生したとされるサガリバナの現地調査を行った。宮古島環境クラブ(MEC)の下地邦輝会長の案内で説明を受けた有川教授は、海岸から3キロ、標高約20メートルの内陸部まで津波が種子を運んできた歴史的背景や、「添道サガリバナ夜のお花見」のライトアップ期間を中心に多くの人が訪れるようになるなど観光地になりつつある取り組みに深い興味を示した。有川教授は「サガリバナを生かし、環境と観光経済を見出しながら防災教育にも活用できる方法があるのではないか」と語り、新たな展開を提案した。
下地さんによると、同群生地は30年前は原野だったが、2001年の水辺整備工事を経て遊歩道などが整備され、散策や植物を学ぶ場として親しまれてきた。約5年前からは本格的な観光地としての整備が進み、草刈りや電気設備など設置でライトアップが実現。6月下旬から7月上旬にかけてのライトアップには全国から観光客が訪れるようになっている。この取り組みをさらに発展させようと下地さんが有川教授に打診し、今回の調査が実現した。
調査の中で有川教授は「海岸から3キロのこの地まで本当に種子が来たのか」と疑問を投げかけたが、下地さんは「この一帯には軽石があり、海岸植物のアダンも見ることができる」と応じ、津波の痕跡を説明した。「自生木の花はピンク色が多い。花は夜から朝方にかけて咲く。夜になると温度が下がり湿度が上がってくるのでにおいがするようになる」というサガリバナの特性についても解説がなされた。
状況を視察した有川教授は、津波の歴史と環境をリンクさせた「防災エコツアー」の合体を提唱。「海から3キロ離れた場所でも津波が到達するという事実を伝える防災教育に活用できる。また、ライトアップ期間だけでなく年間を通じて楽しめるような品種の検討も有効ではないか」と持論を述べた。
この日は動画撮影も実施され、有川教授は「バーチャルリアリティー(VR)を使って三次元空間の中で歩けるようにすれば、ここに来なくても見られるようになる。そこから入り、その上でここに来てもらうことで仕組みができる」とも語った。
なお、同クラブなどが主催する恒例の「第14回添道サガリバナ夜のお花見」のライトアップ期間は、今月25日から7月4日までの10日間を予定している。時間は午後7時半から同9時半まで。主催側では、維持管理費やライトアップ開催費に充てるための「サガリバナ協力金」への協力を呼び掛けている。
問い合わせは宮古島環境クラブ(携帯080・1773・1080)下地ま、もしくは沖縄教育旅行社(0980・72・2686)まで。



