訓練受け入れ「自国防衛に最低限必要」 嘉数市長、市民と意見交換 「考える会」が上野で始動、日米共同訓練巡り賛否噴出
宮古島市は6日、上野公民館で「地域の安全、安心な暮らしを市民とともに考える会」を行った。今月下旬に予定している離島防衛を想定した陸上自衛隊と米海兵隊との実動訓練「レゾリュート・ドラゴン26を巡り、市民が抱く不安や疑問の声を直接聞いて意見を交わす目的で開催。嘉数登市長は「南西諸島を取り巻く安全保障は厳しさを増している。有事はけっしてあってはならないが現実を直視し備えていかねばならない。自国の防衛などの観点から訓練は最低限の範囲で必要だと理解している」との考えを示した。会場を埋めた市民からは、訓練に対する賛否の激しい意見が交わされた。
日米共同訓練は、今月25日から29日までの5日間、航空機による物資補給や輸送などが行われる。患者を輸送する訓練では陸上自衛隊の輸送機V22オスプレイが宮古空港を初めて使用する。
嘉数市長は、5月21日に沖縄防衛局から訓練内容の説明を受けたとした上で、安全保障環境には「中国公船による領海侵犯、尖閣諸島周辺での業業者の操業困難など周辺国の軍事動向が活発化し、台湾周辺の緊張状態やロシアの動きなど総合的な脅威に対して現実的な備えが必要である」との考えを示した。
防衛白書に示された周辺国の国防予算、兵力の増強の現状を踏まえると「先島地域が地理的に国防上の最前線に位置づくことは現実的問題として受け止めねばならない」と述べた。
この状況下、日米共同訓練には最低限の範囲での必要性に理解を示したが、米軍単独の訓練には「引き続き自粛を求める立場に変わりはない」と話した。
宮古空港へのオスプレイ初飛来に対しては、「市民の皆さんが抱かれる安全性への懸念や不安は深く理解している。与那国の事故には沖縄防衛局から原因究明と対策が十分に取られているとの説明を受けた。不安を払拭するため安全管理の徹底、市街地上空の飛行自粛を強く求めた。訓練の際には見届け安全性を確認したい」と述べた。
市民からは日米安保への考えの質問があり、嘉数市長は「日米安保体制で日本は守られており、容認している。第一線に立っているのが自衛隊である」と答えた。
国民保護に係る九州への住民避難計画には「(有事が)万が一起こった場合に住民保護をどうするのかの観点で進めている。有事はけっしてあってはならない。万が一そうなった場合、どこで受け入れるのかで(福岡、熊本など組長と)意見交換している。避難した際に住宅、学校、就労などはどうなるのかについては受け入れ先の現場を見て市民に伝えていきたい」と述べた。
「軍隊は住民を守らない」と日米共同訓練に反対の意見が数多く出た。一方、日米共同訓練を受け入れた嘉数市長を支持する意見もあった。また「脅威と言っているが、なぜ(国同士は)話し合いをしないのか」と外交努力を求める声も上がった。
意見交換会は7日に城辺公民館でも行われた。13日は下地公民館、20日は市未来創造センター、21日は伊良部公民館で開催される。時間はいずれも午後6時開始。入場無料で事前申し込み不要となっており、市は多くの市民の参加を呼びかけている。
問い合わせは市秘書広報課(72・3751)まで。


