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パーントゥに親子で悲鳴 =12日、平良島尻集落

伝統行事「島尻のパーントゥ」に悲鳴、笑顔 住民らに泥塗りつけ厄払い 集落内駆け巡る

 国の重要無形民俗文化財に指定されている伝統行事「島尻のパーントゥ」が12日、2日間の日程で平良島尻の集落で始まった。全身に泥とつる草をまとった奇神「パーントゥ」3柱が集落内を駆け回り、住民や訪れた人、建物などに泥を塗りつけ、向こう1年の無病息災や家内安全などを祈願した。集落外からも多くの人が詰めかけ、念願の泥を塗られた親子らは「健康の厄払い」に笑顔を見せ、伝統行事に親しんだ。

「島尻のパーントゥ」に集まった大勢の人たち

 初日の同集落には、午後5時前から大勢の人が詰めかけた。「今か、いまか」と待ちわびる中、泥とつる草をまとい仮面と杖を手にした3柱のパーントゥが集落のはずれにある「ンマリガー(生まれ井)」から姿を現すと、その姿に歓声が上がった。集落内へ移動した3柱は逃げ惑う子どもや住民らの顔や体に容赦なく泥を塗りつけた。
 幼子を抱いた親らは健康厄払いの泥を塗られたいと奇神に近づいた。それに気づいたパーントゥは、子どもに泥を塗ると、泥を塗られた子どもからは「いやだー」と泣き叫ぶ姿も見られた。
 その後、パーントゥは民衆だけでなく住宅の室内や玄関、停車中の車両などにも泥を塗った。家の庭で酒を酌み交わしていた席にも乗り込み全員に泥を塗っていた。その酒席には3柱が集まり、人とパーントゥが一緒に写る姿をカメラやスマートフォンで収めようと大勢の人が囲むなどにぎわいを見せた。
 砂川明人さんは家族5人で城辺から訪れた。「パーントゥに泥を塗られることで、しっかりと厄払いをしてもらい身が清められる感じがする」と語った。「子どもが生まれるたびに連れてきている」とも話し、この日も3人の子どもたちとともに無病息災を願った。
 地元島尻の男性は「パーントゥはなくてはならない大切な行事であり、祭祀。泥を塗ることで厄を払う、昔からの伝統的な厄払い」と語った。
 集落内ではにぎわいを見せる中、「パーントゥ保存会」のメンバーらは行事の実施に際し、訪れた人たちの安全確保にも目を向けていた。泥を塗ることで無病息災や厄払いをもたらすとされる一方で、狭い集落の路地に多くの見物客が集まることから事故防止に向けた対応が課題となっていた。
 これを受け同保存会は自治会からの要請に応じる形で注意喚起を徹底。パーントゥの行事を楽しんでほしいと来場者の安全管理に配慮しながら午後8時まで呼びかけ、啓発を続けた。

奇神・パーントゥ 泥を纏い集落内を練り歩く

午後5時ごろ、パーントゥが現れるのを待つ人たち
パーントゥの姿に顔が引きつる子どもと笑顔の父親
パーントゥに掴まった女の子
パーントゥに掴まれ叫ぶ女の子
泥を塗られる親子
玄関に泥を塗るパーントゥ
酒を酌み交わす場に乗り込んだパーントゥ

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