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糸満市議会の當銘孝史氏

地方議会の意思尊重と事実調査の強化訴え 當銘糸満市議が訴えた民主主義の原点 「国連の信頼は事実確認から」

 【ジュネーブ】「国際機関の信頼は、公平な事実確認によって支えられる」
 スイス・ジュネーブで開催された国連先住民族の権利に関する専門家メカニズム(EMRIP)4日目に当たる16日、沖縄県糸満市議会の當銘孝史(とうめ・たかふみ)氏が登壇した。国連による沖縄県民に対する「先住民族」位置付け勧告をめぐり、當銘氏は住民の過半数が共有していない枠組みの適用は地域分断を招く懸念があるとし、勧告前の事実調査徹底と地方議会の決議の尊重を訴えた。本紙では、沖縄県民のアイデンティティや存在を揺るがしかねない同問題と、地球の裏側であるジュネーブの国連本部で繰り広げられる地方議員団らの活動の様子をシリーズで多角的に報告していく。

 この日の議題は「UNDROP20周年に向けた準備」で行われた。UNDROPとは、「小農と農村で働く人びとの権利に関する国連宣言」の略称。これまで国連では、沖縄県民を先住民族として位置付けるよう日本政府へ勧告する動きが続いている。
 當銘氏は発言の中で、「自らを先住民族と認識する個人の権利は尊重する」と述べつつも、地域全体の合意形成がないまま一括して先住民族と認定することは、かえって地域社会に混乱を生じさせる可能性があると主張した。
 その上で當銘氏は、糸満市議会をはじめ、豊見城市議会や石垣市議会など沖縄県内の複数の地方議会が「沖縄先住民族勧告」の撤回を求める意見書、決議を正式採択してきた経緯を提示。民主的な選挙を経て選出された地方議会の意向を考慮するよう国連側に求めた。
 さらに今後の取り組みとして、勧告の発出前に現地行政への直接聞き取りや複数ソースによる客観的な事実確認(ファクト・チェッキング)を制度化するよう提言した。當銘氏は、EMRIPが今後20年間の活動を展望するのであれば、「勧告を行う前に、事実調査のプロセスそのものを強化すべきだ」と提言。當銘氏は、
 ▽地元自治体から直接意見を聴取すること
 ▽収集した情報について客観的な裏付けを行うこと
 ▽複数の立場から事実確認を実施すること
 ――を挙げ、こうした手続きを制度として徹底することが、公平な勧告につながると訴えた。
 近年の国連会合では、SNSやデジタル技術の普及に伴う情報検証のあり方も議論の対象となっている。今回のEMRIPの関連イベントにおいても、若手参加者から一次資料の精査や客観的なデータ検証の重要性が指摘される場面があった。
 国連勧告の根拠として非政府組織(NGO)からの情報提供が一定の役割を果たす一方で、地元自治体や議会といった公的機関の意思をいかにバランス良く反映させるか、国際機関における意思決定手続きの透明性と公平性の確保が引き続き問われている。 (ジュネーブ特派員 吉岡綾子)

地方議会の意思尊重と公平な事実調査を訴えた

以下、當銘氏スピーチ全文

「議長、ありがとうございます。
 
日本の沖縄県糸満市議会の議員、當銘孝史と申します。
 
UNDRIPが地域社会に利益をもたらすためには、民主的に選出された地方議会の決定を尊重することが重要です。
 
私たちは、人々が自らを先住民族と認識する権利を尊重します。
 
しかし、関係者の多くがその見解を共有していないにもかかわらず、ある集団を先住民族として認定することは、不必要な混乱や分断を招く恐れがあります。
 
糸満市議会は、沖縄県の他のいくつかの地方議会と共に、沖縄の先住民族に関する国連の勧告の撤回を求める決議を正式に採択しました。
 
これらの決議は、民主的な地方の意思決定を通じて表明された見解を反映したものです。
 
EMRIPが今後20年を見据えるにあたり、勧告の前に、事実調査のプロセスを強化するよう、お願い(推奨)します。
 
このプロセスには、地元の行政当局から直接意見を聴取し、入手した情報の事実関係を裏付けることも含みます。
 
慎重な事実調査によって、国連の公平性、信頼性、権威を維持するのに役立つことになるでしょう。
 
ありがとうございました。」

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