友寄石垣市議、国連報告書草案に異議 「先住民族」記述の削除求める 環境問題の政治利用を批判
【ジュネーブ】国連人権理事会の補助機関である「先住民族の権利に関する専門家機構(EMRIP)」の第19会期が13日、スイス・ジュネーブの国連欧州本部で開幕した。会場には世界各地の先住民族団体やNGO関係者らが詰めかけ、開場前から入館を待つ長い列ができた。初日の会議には沖縄から地方議員らが出席し、石垣市議会議員の友寄永三氏が登壇。「沖縄県民は先住民族ではない」と主張し、国連の調査報告書草案にある沖縄関連記述の削除を強く求めた。本紙では、沖縄県民のアイデンティティや存在を揺るがしかねない同問題と、地球の裏側であるジュネーブの国連本部で繰り広げられる地方議員団らの活動の様子を、今後シリーズで多角的に報告していく。
初日の議題は「紛争及び紛争後の状況における先住民族の権利に関する研究及び助言」。友寄氏は、同会期に向けてEMRIPが作成した調査報告書草案の第70項において、沖縄における有機フッ素化合物(PFAS)汚染が「琉球の人々」の健康に影響を及ぼしたと言及されている点についてスピーチを行った。
友寄氏はスピーチの中で、「沖縄の人々は日本の一地域に暮らす住民であり、私たちを先住民族と見なすべきではない」と明言。問題となっているPFAS汚染については、公衆衛生と環境保護に関わる純粋な環境問題であり、先住民族の権利問題として提示すべきではないと指摘し、関連する記述や脚注102の削除を強く要請した。
また、友寄氏が所属する石垣市議会が、過去に「沖縄県民を先住民族とする国連勧告の撤回を求める意見書」を正式に採択している実績を紹介した上で、「この決議は、民主的に選出された地方議会による決定を反映したもの。地方議会の民主的な意思決定が十分に考慮されるべきだ」と強く訴え、国連機関に対して検証の正確性と責任ある対応を求めた。
同日の会議では、沖縄県民を先住民族と位置付ける立場から発言する他団体の姿も見られた。
会議を終えた友寄氏は「現地で実際に議論を目の当たりにし、沖縄を代表するかのような主張が行われている実態を知った。この経験を多くの県民に伝える必要がある」と語った。間もなく3期目の任期を終える友寄氏は、長年取り組んできたこの問題に対する国連での経験を、今後の活動や情報発信に生かしていく考えだ。 (ジュネーブ特派員 吉岡綾子)

以下、友寄氏の国連スピーチ全文
「議長、ありがとうございます。
私は友寄永三と申します。日本の沖縄県石垣市議会の議員を務めております。
本日は、歴史研究NGOを代表して発言させていただきます。
調査報告書草案の第70項には、沖縄におけるPFAS汚染が「琉球の人々」の健康に影響を及ぼしたと記載されています。
この文および脚注102を削除していただくよう要請いたします。
沖縄の人々は、日本の地域に住む住民です。私たちを先住民族と見なすべきではありません。
沖縄におけるPFAS問題は環境問題です。これは公衆衛生と環境の保護に関わる問題であり、先住民族の権利の問題として提示されるべきではありません。
石垣市議会は、沖縄の先住民族に関する国連の勧告の撤回を求める決議を正式に採択しました。
この決議は、民主的に選出された地方議会による決定を反映したものです。
国際社会に対して異なる見解を提示する人々もいますが、それは沖縄の多くの人々の意見を反映したものではないと私たちは考えています。
専門家機関であるEMRIPには、その報告書が正確かつ入念に検証された情報に基づいていることを確保するという重要な責任があります。
つきましては、EMRIPに対し、石垣市議会が採択した決議を十分に考慮し、第70段落の関連する文言とその脚注を削除していただくよう、謹んでお願い申し上げます。
ありがとうございました。」



