学校給食の週2回の「加工玄米」摂取で児童の肥満低下へ 伊良部島小中で実証実験 医師会ら会見 市全体への普及期待
宮古地区医師会(岸本邦弘会長)、宮古島市教育委員会(宮城克典教育長)、沖縄食糧(中村徹代表)、医食同源生薬研究財団(米井嘉一代表理事)の4者は3日、伊良部島小中学校(佐久本聡校長)で実施した学校給食における加工玄米(DBR)の実証実験の結果を発表した。2024年4月から26年3月までの2カ年間、給食の米飯に加工玄米を混ぜて週2回継続摂取したところ、児童の肥満割合が低下し、健康への影響が懸念される「高度肥満」の児童も減少したという。成果を受け、関係者は市内の他校への導入拡大に期待を寄せた。
同校で行われた会見の発表では、岸本会長が「肥満は全国的課題であり、解決のためにいろんな取り組みが行われている。玄米プロジェクトは、なんとかしないといけないとの考えで始まった。子どもたちは参加することで変わり、親も刺激して地域に広がってほしい」とあいさつした。
実証実験の背景には、宮古島市の児童肥満率が高く、全国・沖縄平均の3倍だったことにある。児童たちが成長していくと将来的に生活習慣病リスクの懸念されることから、地域特性に基づく持続可能な対策が求められていた。そこで、医師会の中村献副会長は「(肥満率改善に)何かできないか」と考え、この玄米プロジェクトに乗り出し、また医師による学校での出前食育講話も並行して行われた。
同プロジェクトの加工玄米の実証実験は、市内でも肥満率の高いとされる伊良部地区で行うこととなり、学校の協力もあったことで実現したという。この日の給食も視察。会見後は玄米おにぎりの試食会も行った。
会見での説明によると、この実証実験は小学生児童211人を対象に実施。学校給食に加工玄米を導入し、児童の体格指標等への影響を評価した。加工玄米は白米とブレンドして提供。24年4月から6月は米飯の30%を、同年7月から26年3月までは50%を加工玄米に置き換えたとのこと。
結果について米井代表理事は「全学年の肥満児の割合は22年度の33・2%から25年度は24・3%に減った。高度肥満児も22年度の9・2%から25年度は7・3%に減少した」と説明。体重がちょうど良い(正常)適正体重の割合は、各年度ともに約60%を維持し、やせ気味の児童は一部で増えたが、その多くは軽いものであり、健康に懸念が出るほど深刻なやせ気味児童の増加は見られなかったという。
加工玄米については、ロウ層除去することで水分を吸収しやすくなり、ふっくらと炊き上げることができる。ロウ層の下にあるビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養成分は残るなども説明した。
佐久本校長は「実証データに驚き、手応えを感じている。食べやすい加工玄米に置き換え、週2回の給食、食習慣を少し見直しただけで数値が低下した。導入前は子どもたちがおいしくいただけるか心配だった。人気のカレーライスと組み合わせるなどメニューも工夫した」と振り返った。
宮城教育長は「今回の加工玄米の導入と運動に親しむ活動の下に効果が現れている。(産官学の)包括連携協定で2カ年やってきたが、成果が十分に認められており市としても喜んでいる。検証結果の知識を市全体に広げ、他の学校への導入も考えていきたい」と述べた。
米井代表理事は「産官学連携により実証実験をすることができた。肥満を減らす取り組みであり、市全体で他の学校にも広げていただきたい」と期待を寄せた。



