「地球は重力に削られ丸い」 国立天文台教授ら解説

 15日から天文学の国際研究会が宮古島市で開かれていることに伴い、一般向けの講演会「私たちの宇宙は謎で満ちている」が17日、宮古島市役所大ホールで行われた。講演会では国立天文台の川邊良平教授が「地球や太陽が丸い理由」や「月がなぜ地球に落ちてこないか」などについてわかりやすく説明した。講演最後の質問コーナーでは寄せられた多くの質問に各専門分野の教授らが回答し、参加した約70人は宇宙や星などについて関心を高めた。
 最新の天文学研究の成果報告や将来の天文学について議論するため15~18日、宮古島市に世界で活躍する天文学者が集結した。同講演会は宮古島市民にも最新の天文学研究に触れてもらうことを目的に開かれた。
 川邊教授による講演では、太陽や月、地球が丸い理由について、強い重力によって引っ張られ削られているからで、大きい星は重力が大きく、小さい星は重力も小さいと説明した。小惑星「リュウグウ」や「イトカワ」は重力も弱いから丸くないと紹介した。また、月が地球に落ちてこないことについて、遠心力(外に引っ張ろうとする力)が働いていて引っ張り合っているからで、それの証拠が海の満ち引きで起こる「波」であると分かりやすく参加者に説明した。
 川邊教授は公演を通して「広い宇宙の一つの星の一人の人間として生まれたことがいかに素晴らしいことか知ってもらえたら」と語った。
 質問コーナーでは川邊教授をはじめ、国立天文台の野村英子教授、名古屋大学の田村陽一教授、東北大学の富田賢吾教授らが市民から寄せられた「重力の起源は」、「地球の寿命は」、「銀河の中心には何があるの」などさまざまな星や宇宙に関する質問に丁寧に回答した。
 講演会に参加した東文孝くん(久松小1年)は「太陽が水素で燃えていると知ってびっくりした。面白かった」、母親の衣里さんは「博物館などなかなか行けないため、実際に話を聞けて、子どもも面白そうにしていたからとても良かった」と話した。
 講演後も文孝くんは田村教授に「プラネットナイン(太陽系外縁に存在すると提唱されている大型の天体の仮称)が見られるか」など食い入るように質問し、普段は出来ない体験に満足気な様子だった。

川邊良平教授

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