多良間村の八月踊りが27年ぶりに宮古島で披露された =6日、マティダ市民劇場

伝統文化高らかに発信 芸能フェスティバル開催

 美ら島おきなわ文化祭2022の沖縄文化発信事業として6日、宮古芸能フェスティバル(主催・文化庁ほか)がマティダ市民劇場で開催された。「ニガイ(願い)この島の先人の想い 未来へ」のテーマの下、市内外から一堂に会した16の団体・個人が、次世代へ繋ぐ願いを込めて伝統文化を高らかに発信。多良間村の豊年祭(通称八月踊り)も宮古島で27年ぶりに披露された。公演の様子は後日、美ら島文化祭の公式ホームページで配信される。
 厳しい自然環境や過酷な人頭税制度の中で、力強く前向きに育まれてきた宮古圏域の精神文化を再認識し、伝統芸能を県内外に発信するとともに次世代へ繋いでいく機会とする目的で開催。フェスティバル冒頭では市文化協会副会長兼方言部会長の砂川春美さんが、宮古方言で会の成功を祈るニガイを捧げた。
 多良間村塩川字会が、国指定重要無形民俗文化財「多良間の豊年祭」(通称八月踊り)を27年ぶりに宮古島で披露。コロナ禍のため村でも中止が続いており、3年ぶりに踊られた。
 交流として金武町の並里区伝統芸能保存会を招待。棒かじゃで風・なぎなが・高平良万歳が実演された。また下地のヨーンシーでは、洲鎌部落会と上地自治会、与那覇ヨンシー保存会が、振り付けの異なる3種類のヨーンシーを踊った。
 県内外でクイチャーの普及に取り組んでいる宮古島創作芸能団んきゃ~んじゅくが創作クイチャーを披露し、最後は出演者が宮古恒例の漲水クイチャーを盛大に踊り締めくくった。
 観覧に訪れていた市教育委員会の大城裕子教育長は「それぞれの特徴が表れて、郷土愛に溢れる舞台だった。地域の郷土芸能が宮古文化の厚みにつながる。しっかりと次世代に残して行きたい」と述べた。
 同じく市文化協会の饒平名和枝会長は「宮古の各地域に伝わる伝統芸能を一堂に披露することができた。継承への思いを共有するきっかけとなり、来場してくれた大勢の方にも感謝したい」と語った。
 公演の様子は市文化協会のユーチューブチャンネルでライブ配信された。美ら島おきなわ文化祭2022のホームページユーチューブでも後日、アーカイブ配信動画を掲載する予定。

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