機を織る後継者養成事業の研修生 =伝統工芸品センター

宮古上布 後継者育成事業が開講

 2022年度宮古上布後継者育成事業の開講式が27日、上野野原の伝統工芸品センターで行われた。今年度は製織部門で3人が来年3月まで、宮古上布を織るための基本的な知識や技術などを学ぶ。研修生たちは先人から受け継がれてきた伝統工芸の習得に向けて気を引き締めていた。
 開講式では、事業を実施する宮古織物事業協同組合の伊川秀樹理事長が「宮古上布は従事者の高齢化に伴い生産反数が減少しており、後継者の育成は喫緊の課題となっている。高度な技術を要するため育成には年数がかかるが、研修を全うして宮古上布の伝統を守ってほしい」と研修生を激励した。
 講師を務める同組合の神里佐千子専務理事が「皆さんを一生懸命育てていきたい。分からないことあれば聞いてほしい。私の知る限りのことを教えていきたい。頑張って宮古上布まで織れるようになってほしい」と話した。
 今年度は齋藤佳代さん、下地幸江さん、下地祥世さんが受講する。代表して下地幸江さんが「宮古上布を学ぶ機会を得たことをうれしく思う。この研修で上布の技術、文化、歴史とともに作品づくりを通して楽しみながら学びたい。先輩たちと一緒に宮古上布の発展に携わり、先人たちの思いを受け紡いでいきたい」と決意を述べた。
 研修は基礎講習として糸が綿とラミー(麻の機械紡績)の宮古織から始まり、応用実習としてラミーの宮古麻織、手績み苧麻糸の帯、上布絣帯と進んでいく。

関連記事一覧