初収穫されたジャガイモを前に担当者から説明を受ける座喜味市長(中)、新里氏(右) =城辺保良

加工用ジャガイモ「コイケヤ」ポテトチップスに

 宮古島穀物生産組合(新里五尾組合長)が2022年、菓子製造・販売の湖池屋(東京)のポテトチップス加工用のジャガイモ生産実証を行う。ことし2月に植え付けたジャガイモの収穫が7日、同組合が借用する城辺保良の畑で始まった。4㌶で約8㌧を見込んでおり、全量を同社に納品する。種芋の購入や栽培コスト、労働費、収益などを確認するとともに、栽培技術向上や年2回の収穫に向けた課題整理などに取り組み、安定生産を目指す。また、ソバ(玄蕎麦)やゴマ、サツマイモなどとの複合栽培も展開する。

 収穫作業は早朝から組合関係者らが実施。耕運機を使ってジャガイモを掘り起こし、手作業で加工用に適した大きさを集めた。栽培管理の担当者によると、今回は種芋の届くのが遅れた影響で2月に植え付けを実施したが、その後に雨が多かった影響で大きさにばらつきがあるという。天候にもよるが5日程度で収穫を終える予定。
 同日は宮古島市の座喜味一幸市長が収穫作業を視察。関係者の説明を踏まえ、ジャガイモ生産で湖池屋との販路及びネットワークが確立されていることに期待するとともに、全国的にも宮古島で早出し生産できるメリットを強調した。
 また、座喜味市長は「加工用の生産が始まったことは喜ばしい」と述べた上で、サツマイモなど他作物と複合栽培に取り組むことで成果が上がるとし「若いやる気のある農家が参入してほしい」と今後の展開に期待した。
 同組合によると、ジャガイモの年2回収穫のためには、1回目の10月ごろに植え付け、翌年2月ごろの収穫のあと種芋の保管のため冷蔵施設が必要で、実現すれば夏前の植え付け、秋ごろの収穫も可能という。
 座喜味市長は、平良港漲水地区に整備した総合物流センターなどを活用した冷蔵保管の可能性を検討する考えを示し、「生産アップのための保冷施設は必要。生産者で足りない部分は市でバックアップしたい。そのことがジャガイモ生産基地を作ることにつながる」と述べた。
 同行した市政策参与の新里聡氏は、「農地の高度利用が必要。(他作物との)輪作体系ができれば農家にとって明るいニュース。生産者と仕組みづくりしたい。多くの農家に参加してほしい」と語った。

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