23人中13人がキビ支援事業削除に賛成した =市議会全員協議室

キビ支援3度目の削除 市議会予算決定委員会

市議会3月定例会の予算決算委員会(下地茜委員長)は24日、2022年度一般会計当初予算案からサトウキビ収穫管理支援事業1億7227万円を削除することを決定した。今議会では21年度補正予算に計上された同事業も削除されている。同日の本会議で野党の下地信男氏が、21年度補正予算分の1億6675万円と合わせた3億3903万円を財源に「農林水産業振興基金(仮称)」設立を求める動議を発議し、賛成多数で可決された。

 委員会の構成は与党9人、中立2人、野党12人。中立会派の狩俣勝成氏はキビ収穫支援の削除に反対したが、野党12人と中立1人の13人が賛成し、13対10で修正案が可決された。キビ生産農家にトン当たり500円を給付する事業の削除は、21年度当初予算を含めこれで3度目。
 農林水産業振興のための基金設立を座喜味一幸市長に求める決議案を提出した下地氏は「この(キビ支援)事業では農家の高齢化や離島不利性の克服などの課題解決に効果がないと判断した」と説明。キビ農家に限らず漁業も含めた広い支援と、各種補助事業を補助率50%を目指し改善することで、生産意欲と所得の向上に取り組むことを求めた。
 3月定例会に提案された2予算案に計上されていた3億3903万円を財源とし、補助率を25~50%の範囲内に設定すること、後継者育成や機械化による省力経営の促進などにも活用することとしている。
 キビ支援事業の削除を巡る討論では、「市長が施政方針で示した政策を実現するためのもの。否決は市民にとって大きなマイナスになる」、「輸送費の補助にモズクも加わるなど、キビ以外にも幅広い手当がある」との反対意見や、「肥料補助金の増額など具体的な施策に活用した方が、市長の訴える農家所得の向上につながる」、「他の産地と競合している野菜や漁業などに光を当てることが重要」といった賛成意見があった。
 基金設立に関しては与党が「議論が足りず軽率」「キビ支援事業が課題解決につながらないという指摘が理解できない」と反対した。野党側は「市長にさまざまな一次産業を総合的に支援してほしい」、中立の砂川和也氏は「ただ(キビ支援事業に)反対するのではなく、代替案を出すことは重要」と賛成した。

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