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高市政権発足から1年 懸案多い日韓関係もエネルギー輸入や安全保障で利害一致か

2026年10月、高市早苗政権の発足から1年を迎えた。この1年間の日韓関係は、歴史認識や領土問題をめぐる対立を抱えながらも、首脳間の対話を継続し、安全保障や経済分野での協力を模索する展開となった。

2025年6月に韓国で李在明政権が発足した当初、歴史問題に対する李大統領の従来の姿勢などを踏まえ、関係の先行きを懸念する見方もあった。しかし、両国は対話の維持を重視し、政治的な意見の相違が関係全体の停滞につながることを避けようとしてきた。

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象徴的なのが、2025年10月の韓国・慶州での首脳会談と、2026年1月の李大統領の奈良訪問である。首脳間の相互訪問を通じたシャトル外交は、友好関係を示すだけでなく、意見の相違が生じた際にも意思疎通を維持するための外交的な基盤となっている。

日韓両国にとって、関係を安定させることは二国間の問題にとどまらず、インド太平洋地域の安全保障環境にも関わる課題である。

安全保障と経済で広がる協力の必要性

日韓関係を支える要因の一つが、北朝鮮の核・ミサイル開発をはじめとする共通の安全保障課題である。北朝鮮の軍事的能力の向上やロシアとの協力は、日本と韓国の双方に対応を迫っている。

日米韓の連携は、情報共有や抑止力の維持を通じて地域の安定を支える重要な要素となっている。一方、歴史問題を背景とする韓国社会の対日警戒感も残っており、安全保障上の利害が一致するからといって、協力が自動的に深まるわけではない。

経済面でも、両国が連携する必要性は高まっている。日本と韓国はいずれもエネルギー輸入への依存度が高く、中東情勢の悪化や国際市場の混乱は、燃料の調達や企業活動に影響を及ぼす可能性がある。

重要物資の供給網の強じん化やエネルギーの安定確保に向けた協力は、両国の経済安全保障に直結する。また、サイバー犯罪や国境を越えた詐欺などへの対処でも情報共有を進めれば、国民生活を守るうえで実質的な効果が期待できる。

こうした分野では、歴史認識や領土問題で意見が一致しなくても、共通の利益に基づいて協力する余地がある。首脳間の関係を一時的な政治的成果に終わらせず、実務協議や行政機関同士の連携として定着させることが、関係の安定性を高めるうえで重要となる。

竹島・歴史問題の存在

一方、関係改善がすべての懸案の解決を意味するわけではない。竹島(韓国名・独島)をめぐっては、日本政府が自国の領有権を主張する一方、韓国が実効支配を続けており、両国の立場には根本的な隔たりがある。歴史認識や戦時中の労働をめぐる問題も、国内世論や政治判断を通じて関係を不安定化させる可能性がある。

こうした問題が表面化した際、政府間の意思疎通が停滞すれば、安全保障や経済分野の協力にも影響が及びかねない。さらに、政権の支持基盤や国内世論への配慮が外交判断を難しくする場面も考えられる。そのため、懸案の解決を目指すと同時に、意見の相違がある状況でも対話を継続できる仕組みを維持する必要がある。

今後の日韓関係を左右するもの

今後は、首脳外交の継続に加え、合意された協力策が実際の政策に結び付くかが焦点となる。北朝鮮への対応、エネルギー供給、重要物資の調達などで成果が積み上がれば、両国関係の安定性は高まり得る。

一方、竹島問題や歴史認識をめぐる対立が政治問題化すれば、関係が再び停滞する可能性もある。米中間の競争や地域情勢の変化も、日韓両国の外交・安全保障政策を左右する要因となる。

高市政権発足からの1年は、日韓関係が歴史問題や領土問題を解消した段階ではなく、対立を抱えながら協力を継続する段階にあることを示した。今後問われるのは、首脳間の良好な関係を一時的な成果に終わらせず、実務協力として定着させられるかどうかである。

意見が対立した際にも意思疎通を維持し、共通利益のある分野で具体的な成果を積み重ねられるか。それが、日韓関係の次の1年を左右する重要な課題となる。

文/和田大樹 内外タイムス

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