水中のPFASを現場測定 OISTが携帯端末開発 スマホ接続、迅速・高精度
沖縄科学技術大学院大学(OIST)の研究チームは26日、水中に含まれる有害な有機フッ素化合物(PFAS)を現場で迅速かつ高精度に測定できるスマートフォン接続型の携帯型検出デバイスの試作機を開発したと発表した。専門の分析施設へ送ることなく、採取場所や家庭で手軽に水質を調べることが可能になる。安価な素材と「人工抗体」を組み合わせることで低コストと量産性を両立しており、環境モニタリングや汚染対策への実用化が期待される。研究成果は国際学術誌「バイオセンサーズ・アンド・バイオエレクトロニクス」に掲載された。
分解されにくく「永遠の化学物質」とも呼ばれるPFASは、水や土壌への蓄積や健康への影響が懸念されている。従来の分析手法は高精度な半面、専門施設に試料を運んで高性能な質量分析装置を用いる必要があり、費用や時間がかかる課題があった。
開発はマイクロ・バイオ・ナノ流体ユニットの研究チームによるもので、研究チームは、標的分子を鋳型にして作る「分子インプリントポリマー(MIP)」と呼ばれる人工抗体に着目した。布地の上にスクリーン印刷技術で使い捨て電極を作製し、MIPでコーティングしたセンサーを小型装置(ポテンショスタット)に差し込み、スマートフォンやパソコンに直接接続して電気信号の変化から濃度を測定する仕組みを開発。追加の化学試薬を必要とせず、短時間で多数の電極を安価に生産できる利点を持つという。
性能評価では、国内の暫定目標値(1リットルあたり50ナノグラム=50ピコグラム/ミリリットル)が設定されている代表的なPFOAおよびPFOSを対象に実験を行い、実際の濃度とよく一致する高精度な検出に成功した。鋳型を置き換えることで1万種類以上あるとされる他のPFAS化合物への設計変更も容易とのこと。
筆頭著者のペリン・ラセル博士は「地域の関係機関だけでなく一般家庭でも汚染状況を把握し、自治体への報告や浄水器導入の判断に役立てられる」と語り、エイミー・シェン教授は「環境モニタリングをより身近で利用しやすいものにする大きな可能性がある」と期待を寄せた。



