23年度事業計画などを承認した食肉センターの株主総会 =6月30日、JAおきなわ宮古地区本部

22年度と畜数11%増加 宮古食肉セ株主総会

 宮古食肉センターの株主総会が先月30日、JAおきなわ宮古地区本部で行われた。2022年度のと畜数実績は山羊や牛の増加により1437頭と前年度比144頭、11・1%増加し、当期純利益は51万円の黒字となった。23年度事業計画では課題となっている技術者の育成、豚肉等の販路拡大などに取り組んでいく。任期満了伴い、社長に県畜産振興公社元理事長の仲村敏さん、専務には千葉県の食肉卸売業林(ハヤシ)代表の林正一郎さんが選任された。

仲村敏社長


 22年度のと畜頭数は豚が582頭(達成率93・1%)で前年度比42頭、6・8%減少、山羊が600頭(同133・3%)で153頭、34・2%増加、牛が255頭(同85・0%)で33頭、14・9%増加。と畜料は1348万円(同83・5%)。販売事業は豚肉の販路拡大に取り組んだ結果、豚・牛の枝肉販売、カット料収入は3828万円(同121・1%)。
 23年度事業計画では同センター経営改善プロジェクトチームの調査報告に基づく重点事項として▽職員の意識改革と行動変容▽経営改善の定量化・方策の細分化と進ちょく管理▽施設利用の効率化と労働生産性の向上▽固定費の削減対策▽施設の適正な運用とコンプライアンスの強化―を実践し、人材育成としてと畜技術の習得や必要な資格取得のための研修、HACCP衛生管理義務化に伴う教育・訓練を継続する。豚肉小売の販路拡大や山羊副産物の販売などにも取り組んでいく。
 同プロジェクトチームの副委員長なども務めてきた仲村新社長は「人材や組織の育成が必要。収益事業も新たに取り入れて強化したいと考えている。民間活力も入ったので事務局も含めて経営改善に取り組む決意」と述べた。
 また、と畜頭数の増加には生産基盤の拡大が不可欠と指摘。「豚や牛の生産基盤が大きくならないと黒字にできない。そこが変わらなければ根本的な経営改善は難しい。生産基盤の拡大を地域に働きかけていきたい」と話した。
 23年度役員は次の通り。
 ▽社長=仲村敏(元県畜産振興公社理事長)新▽専務=林正一郎(林代表)新▽取締役=座喜味一幸(宮古島市長)再、石川博幸(市農林水産部長)新、荷川取広明(JAおきなわ経営管理委員)再、下地誠(JAおきなわ宮古地区本部長)新▽監査役=川満秀盛(市畜産課長)再、盛島智(JAおきなわ宮古地区本部管理部長)新

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