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ミラノ風ドリアなどを値上げへ 「効率化徹底」のサイゼリヤ、努力だけでは限界か

サイゼリヤが10月29日からメニュー全般を平均6%値上げする。サイゼリヤを代表するメニューである「ミラノ風ドリア」は税込300円から320円に、税込400円の料理は税込420~430円になる予定だ。飲食チェーンの中で値上げを抑えてきたサイゼリヤが、値上げに踏み切った意味合いは大きそうだ。

サイゼリヤの2026年8月期の業績は極めて好調だった。連結売上高は前期比で17.4%増の3014億円、営業利益は同5.9%増の164億円だった。

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だが、サイゼリヤ側はさらに高い業績を見込んでいたようだ。国内事業を担うサイゼリヤ単体で、売上総利益が1074億円になると予想していたが、実績は予想を2.1%下回る1051億円だった。

結果的に、営業利益は計画を25.8%下回った。原材料費の高騰などによる粗利益の下振れが、薄利の営業利益を大きく押し下げた格好だ。

ハンバーグなどの材料で使っていたオーストラリア産の牛肉は、価格が高騰。円安で購買力が落ちていることに加え、米国産牛肉の供給が減少したため、オーストラリア産牛肉の需要が増えた。また、鳥インフルエンザの影響などにより、鶏肉の価格も上昇している。

一方、2026年8月期の客数は15.3%も増加している。満13カ月以上営業している既存店でも13.4%増だった。店舗運営の徹底した効率化、メニュー構成といった企業努力で価格を維持してきたサイゼリヤだが、このモデルが「限界」を迎えたようだ。

飲食店の売上は主に客数と客単価で構成されており、サイゼリヤは客数の拡大が成長を支えてきた。既存店でも1割を超える客数増を達成するなど、大手外食チェーンの中で驚異的な集客力を維持していたが、それでも値上げをせざるを得ないほど、食材価格や店舗運営コストが上昇したのだ。

ただ、苦しさがにじみ出ているのは、サイゼリヤだけでない。外食産業全体を取り巻く市況も厳しさを増している。消費者の外食頻度そのものが低下しているのだ。

消費税と「外食しない」が懸念材料

市場調査などを手掛けるマイボイスコムは、「外食に関するアンケート調査」を実施し、昼食の外食頻度を尋ねた。2018年の調査では「月に数回程度」と回答した割合は21.2%だったが、2025年は18.2%だった。「週に4~5回程度」も5.3%から4.5%に低下した一方、「昼食の時、外食はしない」は13.5%から17.9%に増加した。

2027年4月1日には、飲食料品の消費税が1%になる予定だ。ただ、外食には消費税10%が適用されたままで、物価高による節約志向も相まって、客足が鈍るとの見方もある。

これまで外食に充てられていた食費は、スーパーの惣菜などに置き換わる可能性がある。惣菜は共働き世帯や高齢世帯の増加を背景に、市場が拡大しており、日本惣菜協会によると、2025年の惣菜市場規模は前年比3.7%増の11兆7075億円だったという。

イオンはダイエーなどの店舗を、惣菜を強化した「イオンフードスタイル」に転換している。西友を買収したトライアルホールディングスは、惣菜を主力商品とする「トライアルGO」を都市部に展開中だ。

「ドン・キホーテ」を運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスも同様の動きを見せており、ドン・キホーテとスーパーマーケットの機能を融合した「ロビン・フッド」を成長の足がかりにしようとしている。

コスト上昇に対応しながら、値上げ後も客数を維持できるかどうか。今後ライバルになり得るスーパーマーケットとどう共存するか。低価格飲食チェーンは、価格と満足度の両立を改めて問われている。

文/不破聡 内外タイムス

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