学校給食に加工玄米導入を 地区医師会が嘉数市長に要請 伊良部島小中での肥満改善成果示す
宮古地区医師会の岸本邦弘会長らが7日、市役所に嘉数登市長を訪ね、市内の小中学校給食へ「加工玄米」を導入、拡大するよう求める要請を行った。成人の生活習慣病率や小中学生の肥満率の高さが課題となる宮古地区において、予防医学の観点から食習慣の改善を目指す提案。先行実施された伊良部島小中学校での良好な結果を踏まえて提案。嘉数市長は「食育を通じた健康づくりとして有益」と評価し、全小中学校の実施に向けて前向きな姿勢を見せた。
要請書では、宮古地区における成人の肥満症や糖尿病、高血圧などの生活習慣病率が高い水準にあり、その影響が小中学生の肥満率の高さにも顕著に現れている背景を提示。これを受け医師会は予防医学の観点で、幼少期からの食習慣改善が重要であると指摘した。
同医師会や市教育委員会、JAおきなわなどが連携し、2022年度から伊良部島小中学校で週2回、白米と加工玄米を半々で混ぜ合わせた給食を試験的に提供した。その結果、全学年合計での肥満児割合が開始前の33・2%から29・3%に減少傾向を示した。統計的な有意差にまでは至らないものの未実施の学校と比較して明確な改善の兆しが見られたという。
提供されている加工玄米は、白米と比べて糖質やカロリーが約3割抑えられる一方、食物繊維は約8倍と栄養価に優れている。また、琉球大学の研究により、肥満抑制効果が注目される成分「γ(ガンマ)-オリザノール」も含まれており、太り気味の児童の数値が適正に近付くなど標準体型へ整える効果が確認された。懸念された痩せ型の児童がさらに痩せてしまうといった負の影響や、消化不良・アレルギー反応などのトラブルも報告されていない。
さらに給食現場で課題となりやすい「残食(食べ残し)」についても、ほとんど残さず食べられていることが報告された。白米と混ぜて炊飯することで硬さや独特のにおいが和らぎ、児童生徒からは「カレーなどのメニューではプチプチした食感が楽しめておいしい」との声があった。
保護者らを対象としたアンケートでも半数以上が味、食感ともに良好と回答。「家庭ではなかなか玄米を取り入れにくいため給食で提供してもらえるのはありがたい」と好意的な意見が寄せられた。
嘉数市長は「短期間でいい成果が出ており、子どもたちがおいしく食べて保護者の理解も得られている点は非常に評価できる。他の学校へも導入できるよう、教育委員会としっかり協議しながら検討していきたい」と述べた。
宮城克典教育長も「生活習慣病の予防は将来の医療、介護費の抑制や社会保障費の適正化にも直結する。児童生徒の段階から食生活への意識を高め、家庭や地域全体へ健康づくりの輪を広げていきたい」と意欲を見せた。



