台風9号猛威、先島直撃で傷痕深く 博愛漁港の防波堤崩壊、停電復旧も影響長引く 本島でも「危険半円」で想定外の暴風
大型で非常に強い台風9号(バービー)は10日から11日にかけて先島諸島を通過し、各地に暴風や大雨の甚大な被害をもたらした。最大瞬間風速42.7メートルを観測した宮古島市では、高波の影響により上野宮国の博愛漁港で防波堤の一部が崩壊・大きく傾くなど深刻な被害が出ている。今回の台風は本州をまるごと覆うほどの巨大な風域を持ち、台風の東側に位置する「危険半円」にあたった地域で想定以上の猛烈な風が吹いたのが特徴。中心から200キロ以上離れた沖縄本島地方の久米島空港でも最大瞬間風速45.3メートルを記録した。

11日に台風の直撃を受けた多良間島では、午前5時半ごろから約4時間にわたり台風の目に入り一時風が落ち着いたものの、同9時半ごろの吹き返しから再び猛烈な風が襲った。村内では大木が根元となぎ倒され、街灯も折損。最大500戸が停電した。宮古島市内でも大きな街路樹の倒木や飛散物が相次ぎ、県内全体では強風による転倒などで13人が重軽傷を負った。空の便は12日以降おおむね通常通りに戻ったが、海の便はしけの影響で欠航が続いた。
ライフラインへの影響も深刻を極めた。宮古島地方を中心に一時最大約2万7430戸が停電。沖縄電力は本島などから50人以上の作業員を動員して昼夜を徹した復旧作業に当たり、13日午後3時19分までに主要な高圧配電線路の送電を全面復旧させた。しかし、平良や下地の一部地域では最長72時間13分に及ぶ長期間の停電・断水となり、各家庭への引込線の切断などによる局所的な停電への対応はいまも続いている。
台風接近から2日以上が経過した13日も、宮古島市内の小中学校では停電の影響で学校給食が調理できず、午前中のみの授業短縮を余儀なくされるなど住民生活の足元を揺るがしている。
被災した市民からは「36時間の停電と断水でお手洗いの不衛生さが恐怖だった。復旧に励んでくれた電力会社には感謝しかない」との声がある一方、「東小学校近くの信号機が消えたままで事故になりかけた。こういう時こそ警察官が誘導すべきだ」「2003年のマエミー(台風14号)以上と聞いていたが被害が少なくて安心している。ただ、マエミーの時に電柱地中化の計画が出たのに、20年たっても一部しか進んでいないのはなぜか」といった行政やインフラ整備に対する厳しい意見や注文も相次いでおり、防災体制の課題も上がった。










