前代未聞 昭和HDが取締役3名欠席で代表取締役選定できず実印・帳簿・通帳が行方不明の異常事態
ゴム製品などを扱う昭和ホールディングスが前代未聞の出来事に見舞われている。取締役会を開催しようとするも取締役3名が欠席、代表取締役の選定ができなかったことに加え、会社の実印・会計帳簿・預金通帳が行方不明だというのだ。
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昭和ホールディングスの前社長は此下竜矢氏だ。今年6月29日に開催した株主総会で退任が決定。ニコラス・ジェームズ・グロノウ氏と細野敦氏が取締役に選任されていた。
前代表の此下氏と取締役に選任された2名には確執がある。
2021年6月に開催した株主総会で、株主からグロノウ氏と細野敦氏を含む取締役6名を推薦する動議が提起された。しかし、取締役を選任する議決権定数を満たしておらず、動議が不適法と判断。採択しなかった。
2022年4月には動議対象者が、此下氏などは取締役ではないという地位確認等請求訴訟を提起。「取締役としての権利義務を有する地位にない」ことを確認するとの判決が言い渡されている。しかし、2025年10月に原告側は控訴した。
此下氏は別件で、ニコラス・ジェームズ・グロノウ氏を提訴。事実に基づかない内容で訴訟を提起したとして提訴したものだ。1億5440万円もの弁護士費用の支払いが発生したとし、取締役の善管注意義務違反、および忠実義務違反に該当することから、弁護士費用と同じ金額の損害賠償請求を行うという内容だった。
千葉地裁松戸支部は原告の訴えを棄却。此下氏が控訴し、東京高等裁判所は2025年11月に一審の判決を変更、グロノウ氏に対して381万円の支払いを命じている。
まさに泥仕合とも言える様相を呈していたのだ。
元防衛大臣の久間章生氏が取締役会を欠席
しかし、2026年6月開催の株主総会で、グロノウ氏と細野氏は取締役に選任されている。此下氏は退任となったものの、取締役会に取締役3名が欠席。全員が取締役会を招集した細野氏に対して、一切の連絡をしてこないという。
この3名は監査等委員の社外取締役だ。その中には、防衛省初代防衛大臣で、旭日大綬章を受章した久間章生氏も含まれている。
さらに細野氏が昭和ホールディングスの本社を訪れたところ、そこに存在したのは看板だけだったという。昭和ゴムの従業員に話を聞くと、開示事務や株主名簿管理をしていた昭和ゴムの取締役、従業員も昭和ゴムが昭和ホールディングスの子会社でなくなった結果、事務を行わないよう此下氏から告げられたというのだ。
結果として、実印や会計帳簿、預金通帳の行方がわからなくなった。
昭和ゴムが昭和ホールディングスの子会社ではなくなったというのはあまりに不自然な話だが、ヒントは別の会社が開示した情報にありそうだ。此下氏が取締役会長を務めるウェッジホールディングスである。
ウェッジホールディングスは昭和ホールディングスの子会社だった。しかし2026年6月26日、ウェッジホールディングスが、昭和ホールディングスが支配株主から外れたと発表したのだ。
昭和ホールディングスに8億4500万円を貸し付けていた株式会社日本橋本町菓子処が、担保権を行使。昭和ホールディングスが保有していたウェッジホールディングスの持ち株が日本橋本町菓子処に譲渡されたのだという。
昭和ゴムにおいても、同様の出来事が起こった可能性が高そうだ。
経営権をめぐって混迷を深めるばかりだが、不幸なのはゴム製品の製造販売を手がけている昭和ゴムの従業員だ。親会社の経営の混乱と、ゴム事業という実業は本来であれば直接関係のない話だ。早期に終結を図ってほしいものである。
文/不破聡 内外タイムス






