婚約指輪まで販売…「自販機大国」日本で自動販売機の役割が変わってきた
日本では街角で当たり前のように自動販売機を見かけるが、実は、これほど多くの自販機が屋外に破壊されず置かれている国は日本くらいしかない。治安の良さが日本を自販機大国にしたといっても過言ではない。そして、24時間稼働して夜間は明るい照明を放つため、暗い夜道でも防犯灯(街灯)のような役割を果たしている。
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そんな「自販機大国」日本における自販機台数は、約390万台とピーク時から約3割減少している。近年、主要飲料メーカー各社が人気商品の価格を引き上げ、自販機販売の飲料は定価なのでコンビニ販売よりも高くなっている。これも消費者の自販機離れの一因になっており、一方で商品の多様化、自販機の役割進化など、新しい動きも見せている。
まず、テレビ朝日系「モーニングショー」で紹介された変わり種自販機として目を引いたのは、婚約指輪。ただ、これはプロポーズする際の“演出用”ということで、ダイヤがはめ込まれた真鍮(しんちゅう)製の指輪となっている。東京・渋谷区千駄ヶ谷にあるジュエリーブランドの直営店に設置されているそうで、値段は9900円。
物語が出てくる自販機もある。主に学校やイベント会場などに設置されており、設置場所とゆかりのある小説の一部などが500~2500文字程度の文章でレシートのような形で出てくる。値段は無料。一例として、青山学院大学に6月23日まで設置されていた。
近年は、自然災害大国ならではといえる自販機の進化が目覚ましい。災害支援型自販機(ライフライン自販機)は、大地震などの大規模災害が発生してライフラインが途絶えた際、中に残っている飲料を被災者に無償で提供できる仕組みを持っている。
このタイプは停電時でも動くようにバッテリーが内蔵されていたり、手動のハンドルを回して自家発電できる仕組みを備えていたりと、優れモノだ。
この他、リアルタイムで災害情報を伝える電光掲示板を装備した自販機や、搭載した蓄電池により自動でWi-Fiが作動する自販機などもある。
高齢化社会に対応した自販機も
高齢化社会に対応した自販機も増えている。ボタン1つで嚥下(えんげ:飲み込み)機能に応じた「とろみ」付きの緑茶やコーヒーを自動調理して提供するカップ自販機が開発された。医療・介護現場の深刻な人手不足や介護負担を減らすのが目的で、高齢者施設や医療機関などに導入されている。
見守り機能付き自販機(みまもり自販機)は、街中に張りめぐらされている自販機のネットワークを活用し、地域の高齢者や子ども、そして街全体の安全をそっと見守るセキュリティー・インフラとしての役割を持った自販機だ。
タグを身につけて外出した認知症高齢者などが、見守りセンサー設置の自販機のそばを通ると、センサーがタグに反応し、位置情報を保護者(家族など)に送信する。
都市部ではコンビニが社会インフラの一部を担っているが、コンビニの数が少ない地方や農村では、自販機活用の可能性がまだまだある。今後も社会の変化に対応した自販機が出てくるだろう。
文/横山渉 内外タイムス





