• 全国
  • マルチメディア池袋がオープン ヨドバシカメラ「幻のリニューアル計画」は具現化されたか
  • HOME
  • 全国
  • マルチメディア池袋がオープン ヨドバシカメラ「幻のリニューアル計画」は具現化されたか

マルチメディア池袋がオープン ヨドバシカメラ「幻のリニューアル計画」は具現化されたか

6月30日、ヨドバシカメラ マルチメディア池袋がオープンした。池袋進出の後発組としてやってきたヨドバシカメラは、西武池袋本店の一部を改装して出店したのだが、その総売り場面積は関東最大級だという。

ヨドバシカメラ進出で“池袋家電ウォーズ”勃発 迎え撃つヤマダデンキ、ビックカメラ、ノジマの戦略は

広々とした売り場の遠くまで見渡すことができるレイアウトは、郊外のホームセンターやスーパーマーケットなどを彷彿(ほうふつ)とさせる店作りだ。歩いていると至るところで「OPEN記念特価」「池袋店オープン記念特価品」と併記された値札が目に入る。特価で約530万円に設定された110インチのREGZAのテレビは、約50万ポイントの還元を受けることで価格.comの最安値を下回る。通常は定価での販売しか行われず、店員への値引き交渉も門前払いされるAnkerの製品ですら、一部はオープン記念の値引き品になっていた。

ニュースサイト「WWDジャパン」がX(旧Twitter)に投稿した画像がきっかけで、広大なカプセルトイ売り場に注目が集まったのだが、あくまでもこれは店舗のワンフロアの1コーナーに過ぎず、動画で紹介されたエリアの数倍ものスペースがワンフロアに存在する。面積自体は知育玩具の売り場と大して変わらないのだが、盛況ぶりは他の売り場とは別次元で、21時を過ぎても至る所で両替機から出てくる小銭の音が響き渡り続けていた。またプラモデル・フィギュアコーナーも圧巻の品ぞろえで、数えきれないほどの「ガンプラ」の箱が棚を埋め尽くしていた。

広大な売り場に無数の商品を展開するヨドバシカメラを見て思い出したのが、新宿西口本店の大規模再開発計画である。10年以上前、ヨドバシカメラは複数の建物にまたがる本店の敷地を1つにまとめる計画を打ち上げた。その後はヨドバシカメラが入居していない建物を含め、周辺の土地や建物を「ヨドバシ建物」が購入したが、不動産を取得しただけで工事が始まる気配はない。結局、新宿西口本店はスマートフォン売り場と充電器専用売り場が離れた場所にある、玩具売り場とゲーム売り場が離れているといった、不便な状態が続いている。

ライバルは家電量販店だけではない

この駅直結とも言える立地での店舗展開はヤマダデンキ、ビックカメラ、ノジマからすると大きな障壁になりえる。だが、戦々恐々としているのはそれだけではないだろう。ヨドバシ酒店は東武百貨店内にある「酒Market」などの、グループ会社である石井スポーツの売り場は「KAMO」や「ムラサキスポーツ」などのライバルになりうる。ガンプラを始めとした各種玩具類に関しては「オタクの街」全体の人気を吸い上げる可能性もある。周辺店にとっては、隣にイオンモールができたような脅威を感じるかもしれない。

ただし、ヨドバシカメラ自体にも弱点はある。既存店と同様、マルチメディア池袋でもPayPay、楽天ペイ、AlipayなどのQRコード決済に対応していない。それどころか、自社で発行しているクレジットカードの「タッチ決済」にすら非対応という、キャッシュレス対応に消極的な姿勢を見せている。インバウンド客にとっては支払いの利便性は売り上げに直結するケースが少なくない。ここをヨドバシカメラが克服した時こそ、他社にとっては本当の脅威になり得る。

閉店時間を迎えた22時、他店と同様に「蛍の光」をBGMにし、来店を感謝するアナウンスなどが流れた。SNSでは「ベイブレード売り場でベトナム人の暴動が起きた」「日本人がほとんどおらず、転売ヤーらしき中国人が店員の言うことを聞かない」といった真偽不明の情報がいくつも飛び交ったが、閉店時間を過ぎても店内に居座ろうとするような人はおらず、初日の営業が穏やかに終えた。なお、「トイレがきれい」という情報だけは、紛れもなく事実だった。

文/池田聖人 内外タイムス編集部

関連記事一覧