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皇族数確保、国会との乖離 国民の関心は「愛子さまは天皇になれるのか」

11日、天皇陛下はオランダ・ベルギー公式訪問を前にした記者会見で、現在国会で進められている皇族数確保の議論について、次のように述べられた。「皇室のあり方や活動の基本は、国民の幸福を常に願い、国民と苦楽を共にすることだと考えており、こうした皇族数の確保のあり方についての議論においても、国民の皆さんの理解が得られるものとなることを望んでおります」

制度に関わる事項への言及は控えると前置きしながらも、「国民の理解」というお言葉をあえて用いられたことは、多くの国民に強い印象を与えた。皇室制度に関する政治的議論に対し、現職の天皇がこのような形で言及されるのは極めて異例と受け止められている。そして今、この「国民の理解」というお言葉こそが、皇族数確保をめぐる議論の最大の論点になりつつある。

現在の皇室が抱える課題は深刻だ。女性皇族は結婚すると皇籍を離脱するため、皇族数は年々減少している。皇室の公務は国内外を問わず多岐にわたり、地方訪問や災害被災地のお見舞い、国際親善などを支える人員の確保が課題となっている。

また皇位継承資格を持つ皇族は現在極めて限られており、将来に向けた制度整備が必要との認識は与野党で共有されている。こうした状況を受け、衆参両院の正副議長は10日、「立法府の総意」として二つの方策を取りまとめた。

皇族数確保に向けふたつの案が用意された

一つ目は、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する案である。現在の皇室典範では、女性皇族は民間人と結婚すると皇籍を離れる。しかし、この仕組みのままでは将来的に皇族数がさらに減少してしまう。そのため、愛子内親王殿下や佳子内親王殿下などの女性皇族が結婚後も皇族として活動できるようにしようという案である。

ただし、この案には未解決の課題も残る。最大の論点は、結婚相手である配偶者やその子どもの身分をどうするのかという問題だ。今回の取りまとめでは明確な結論は示されず、将来的な課題として先送りされた。

二つ目は、旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎える案である。1947年に皇籍離脱した旧11宮家の男系男子を対象として、現在の皇族の養子となり皇族数を増やす構想である。この案を支持する人々は、皇室が長年維持してきた男系継承の伝統を守ることができると主張する。

一方で、戦後約80年にわたり一般国民として生活してきた人々を新たに皇族とすることへの違和感や、国民の理解をどのように得るのかという課題も指摘されている。

国民の関心は皇位継承問題

今回の議論で注目されているのは、制度の内容そのものだけではない。国会で進められている方向性と、国民感情との間に少なからぬ温度差が存在することである。近年、多くの世論調査で女性天皇を容認する意見が非常に高い割合を占めていることが報じられている。

テレビ朝日系「報道ステーション」が行った調査では、女性天皇を認めることに85%が賛成と回答している一方、旧宮家の男系男子を養子として迎える案については賛成45%、反対39%と意見が割れている。

つまり、多くの国民は皇室の将来を考える際、「愛子さまは将来天皇になれないのか」という問題に関心を持っているのに対し、現在の国会の議論はあくまで「皇族数の確保」に限定されているのである。もちろん、皇族数確保と皇位継承問題は制度上は別のテーマである。

しかし国民の目から見れば、その二つを完全に切り離して考えることは難しい。天皇陛下の長女である愛子内親王殿下が成年皇族として活躍され、国内外で高い支持を集めている現状を見ると、多くの人が「なぜ議論の対象にならないのか」と疑問を抱くのも自然なことだろう。

国民の理解がないと制度は長く続かない

そのため、国会では一定の結論が見え始めている一方で、世論の側には「本当にこれが国民の望む方向なのか」という問いが残り続けているのである。

天皇陛下は制度への賛否を述べられたわけではない。しかし、「国民の理解が得られるものとなることを望む」というお言葉には大きな意味があるように感じられる。皇室は国民との信頼関係の上に成り立っている。だからこそ、どれほど法制度として整合性があったとしても、多くの国民が納得していなければ、その制度は長く安定して続かないかもしれない。

皇室の未来を考えることは、日本という国のあり方を考えることでもある。伝統を守ることも重要だ。だが同時に、時代の変化や国民の意識を無視することもできない。今回の皇族数確保の議論は、単なる制度改正ではない。皇室がこれからも国民とともに歩み続ける存在であるために、どのような形がふさわしいのかを問う議論なのである。

だからこそ、陛下が示された「国民の理解」という視点を忘れてはならない。立法府の総意が示された今こそ、本当に求められているのは多数決による決着ではなく、できる限り多くの国民が納得できる形を模索する姿勢なのではないだろうか。皇室の未来は、国民との信頼の上にある。その原点を改めて思い起こさせたのが、11日の陛下のお言葉だったように思う。

文/志水優 内外タイムス

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