知床・観光船沈没事故、運航会社社長に禁錮5年判決 業務上過失致死の最高刑
2022年4月23日に北海道の知床半島沖で発生した観光船沈没事故をめぐり、業務上過失致死罪に問われていた運航会社社長の桂田精一被告に禁錮5年の実刑判決が言い渡された。
乗客24人と乗員2人全員が死亡・行方不明になった同事故。当日は強風注意報や波浪注意報が発表されており、事故を起こした「KAZU I」の船長は別の観光船運航会社の従業員から運行をやめるように忠告されていたことが明らかになっている。
同日、13時過ぎ頃から船に異変が起きたとみられ、乗船していた客が家族に電話で別れを告げていたことなども明らかになっている。
一方、運航会社の従業員が海上保安庁へ救助要請したあと、実際に救助隊が現場に到着したのは16時半頃。初動対応の遅れも問題となり、海保が体制拡充を進めるきっかけともなった。
国土交通省の発表によると、事故の原因は船首甲板部ハッチからの浸水による沈没。もともと不具合があった船首のハッチの蓋が荒天による揺れで開いたとされる。
事故後、海上保安庁の捜査を経て桂田被告は2024年9月18日に、業務上過失致死と業務上過失往来危険の疑いで逮捕。
裁判では「ハッチの不具合を知らず、事故は予見できない」「当日の気象・海象下では一般的に帰港することが可能」と無罪を主張していたが、検察から禁錮5年を求刑され、釧路地裁は求刑通りの実刑判決を言い渡した。なお、業務上過失致死罪(刑法211条)の最高刑は、5年以下の懲役・禁錮(または拘禁刑)、もしくは100万円以下の罰金となっている。
いまも6人の行方が分かっていないこの事故。事故から4年以上が経過したいま、ようやく事故の責任の所在が地裁判決で明らかになったともいえる。


