牡丹社事件の絆紡ぐ、台湾・牡丹郷の児童らが来島 東小、南小で交流活動へ 歴史乗り越え国際視野広げる
台湾屏東県牡丹郷の潘壮志郷長らと小学生15人の交流団が8日、市役所を訪問した。玄関ロビーでは職員らが温かく歓迎し、子どもらは笑顔で応えた。2階大ホールでは歓迎式が開かれ、嘉数登市長や宮城克典教育長らが迎えた。嘉数市長は「ようこそ宮古島に来ていただいた。美しい海や(宮古の)郷土料理を堪能するなど皆さんの心に刻まれる素晴らしい思い出を作ってほしい」と歓迎の意を表した。交流団は12日までの滞在期間中、市内の小学校での授業見学や文化体験のほか、島内の史跡巡りなどを通して友情を深める。
宮古島市と牡丹郷は、1871年の琉球漂流難民事件で宮古島や沖縄本島の54人が命を落とした「牡丹社事件」の関わりを契機に交流を深め、2024年には交流協定に関する覚書を締結した。教育・文化の交流、観光活動や産業振興の促進を図っており、市内のカママ嶺公園には、歴史的な事件を乗り越えて人類の希求する愛と平和の理念の実現を込めた「愛と和平の記念碑」が建立されている。
歓迎式では、潘郷長が「牡丹郷と宮古島市はさまざまな交流活動を通じて両地域の協力関係を発展させてきた。今回の交流事業では南小、東小との交流を通じ授業見学、文化体験、スポーツなど多彩な交流プログラムなどを予定している。子どもたちが海外の学校生活を体験し国際的な視野を広げるとともに台湾の原住民俗文化を伝える機会となることを期待している」と述べた。
嘉数市長は「宮古島への訪問は日本の文化に触れ、新たな知識を学び、なによりも宮古島の友達と心の交流を深める有意義な機会となる。皆さんがお互いの文化や価値観を理解し、尊重し合うことは国際社会の平和と発展にとっては重要な期間となる。限られた期間だが宮古島での滞在を楽しみ、経験を家族、友人に伝えて、いつの日か再び訪れてくれることを願っている」と述べた。
児童代表であいさつした石門小学校6年の林郁鳳さんは「宮古島への訪問を楽しみにしていた。小さい頃から牡丹社事件の話をよく聞いていたので、その歴史に興味を持っている。皆さんと交流し、お互いの文化や学校生活、学習経験を分かち合えることも楽しみにしている」と述べ、初の海外訪問に期待を込めた。
このあと潘郷長から嘉数市長に記念品が贈られた。
12日までの滞在期間は東小、南小で交流活動や「愛と和平の記念碑」、市総合博物館、地下ダム資料館、伊良部大橋、牧山展望台などを見学する。マリンアクティビティ体験ではシュノーケリングを予定している。


