
ナで72年ぶり「1番・投手」 大谷、663日ぶりマウンド 大リーグ ド軍勝利、同点打も 一回28球の最速161㌔
ドジャースの大谷翔平が16日(日本時間17日)、本拠地ドジャースタジアムで行われたパドレス戦に「1番・投手」で出場。打者としても26号本塁打が期待される中、二刀流での実戦復帰を果たした。ナショナル・リーグで「1番・投手」は1953年のアルヴィン・ダーク(ジャイアンツ)以来、実に72年ぶりの快挙。MLB公式も異例の注目を示し、ドジャースでの初登板にして二刀流復活は、大谷翔平メジャー通算87試合目の登板となった。
大谷の登板は短いイニング限定の「オープナー」形式で行われ、降板後も指名打者として出場を継続。エンゼルス時代の23年8月23日のレッズ戦以来、約1年10カ月、663日ぶりのマウンドに大谷ルールで臨んだ。予定していた一回28球を投げ、2安打1失点の力投。スイーパー10球、直球9球、シンカー5球、ツーシーム3球、スプリット1球と緩急や左右の揺さぶりを狙った配球で無事に投げ切り、三振はなかったものの最速161㌔を記録した。
降板後は打者として第2打席でスライダーを左中間に打ち返して適時二塁打を放ち、自らの負けを打ち消す同点打。また四回2死一、二塁の第3打席は右翼への適時打でこの日2安打目を放ち、二刀流で復活した試合はドジャースがパドレスに6―3で勝利した。
大谷は右肘と左肩の手術を乗り越え、5月下旬から3度のライブBP(実戦形式の練習)で調整。ジャイアンツ戦(15日)翌日に、突如として投手起用が発表された。
米スポーツ専門局のESPNは「チームや大谷の考え方に詳しい関係者によると、投球と打撃を同時にこなすことは結局のところ、彼の体にとって負担が少なかったようだ」と報じた。
MLBは試合前、公式Xに「1番打者として投手が打席に立つのはナ・リーグでは1953年のA・ダーク(ジャイアンツ)以来、1900年のJ・ジョーンズ(ジャイアンツ)と3人目になる」と投稿した。
球場内外での優れた精神や人柄に贈られるルー・ゲーリッグ賞の第1回受賞者(55年)として知られるダークは53年の公式戦最終となったパイレーツ戦で、一回2失点。次の回から三塁に回った。一方、本職が外野手のジム・ジョーンズは実際には1901年9月30日カージナルス戦で2年ぶりのマウンドで五回6失点、4打数無安打。試合はコールドゲームで完投敗戦投手となったと記録されている。また、147試合に先発したベーブ・ルースは九番が一番多く、大谷のように1番、2番は一度もなかった。