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8議案について討論した市議会経済工務委員会 =市役所

前代未聞の市の訴訟 市議会経済工務委 てぃだの郷の法的措置に 委員「行政の怠慢だ」

 宮古島市議会3月定例会は11日、各委員会が開かれた。経済工務(狩俣勝成委員長)は付託された8議案について審議し、7議案を採択。1議案は再継続となった。そのうち、伊良部長浜の市総合交流ターミナル施設(通称・てぃだの郷)の現在管理している業者への法的措置については採択したものの、前代未聞の訴訟に委員からは「行政が適切な説明をせず、市民を法的措置に処することは行政の怠慢だ」などと批判が上がった。
 市議会では23年12月定例会で同施設の早期売却に取り組むよう求める決議を賛成多数で可決。だが、使用料未払いのまま、退去要請にも応じていない状況であるとし、法的措置を講じるとした。
 農林水産部の石川博幸部長は「同施設の土地、建物、使用料に加え、使用料相当額の損害賠償請求を求める訴え」だと説明。「現在の管理業者には速やかに退去してもらい、2021年度から24年度の合計使用料に年利3%の遅延損害金を加えた額を請求する」と述べた。21年に一度だけ1カ月分の使用料は納付されたという。
 友利光徳氏は「島の人間同士の争いが発生したことについて市当局に問題があるのではとの意見もあったが、互いに傷が残らないような解決方法が望ましい」との意見を述べ、市当局が適切な対応であったかを指摘。「当局が完全に正しかったということではなく、その場において適切な対応してきたつもりだが、10数年経営し続けた事業者であり、双方に相異が生じた」とした。
 西里芳明氏は当局の指定管理についての説明不足を指摘し、当局は「21年9月に担当者が同施設を訪れ、口頭で説明したが『納得できない』『急には応じれない』などと言われ、話し合い中においても売却に関して『優先的にしてほしい』と希望されたが、条例においてそれは難しいと説明した」とした。
 また、上地廣敏氏は現在市の無許可で運営を続けていることに苦言を呈しつつも、「従業員数も売り上げも把握しておらず、なぜ3年も然るべき処置を講じなかったのか。これでは行政の怠慢だと言われても仕方がない」と指摘。その一方で山里雅彦氏は「管理業者に聞いたところ、当局からは一度しか納付書も届けられておらず、納付したくてもできなかった状況。怠慢と言わざるを得ない」との意見が上がった。
 そのほか、委員からは現在の同施設従事者について設問もあり、「市当局から彼らの仕事の斡旋などの考えや対処はないか」と問われ、市当局として現在は考えにないとのこと。
 顧問弁護士については一審の判決までを契約とし、今後の協議を進める中でも退去の話し合いは継続するという。
 そのほか、同委員会では建設部、水道部の各所管から付託された計8議案中7議案が採択された。
 定例会は17日から一般質問がはじまる。土日、祝日を除く5日間で平良議長を除く23人が通告している。

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