23年度事業計画などを承認した通常総会 =伊良部漁協

食堂開業以来最大の売上 伊良部漁協通常総会 漁獲量減少も価格安定

 伊良部漁業協同組合(伊良波宏紀組合長)の通常総会が29日、同組合で行われ、2022年度事業報告などを承認した。22年度は漁獲量が減少したものの、コロナ禍で低迷していた水産物需要が徐々に回復し、魚価安定の取り組みもあって受託販売の売上高は前年度を上回った。食堂事業は開店以来最大の売上となった。観光事業も大幅に増加。当期余剰金は19万円。
 22年度の受託販売は荒天時期や不漁が多く漁獲量は445・9㌧と前年度比15・5%減少したが、魚価の安定に取り組んだ結果、1㌔当たり平均単価はカツオが317円(前年度281円)、マグロが495円(同325円)と上昇し、売上高は1億6384万円で1・3%増加。
 食堂事業は新型コロナ対策の緩和に伴う観光客の大幅な増加により来店者客数が増え、売上高4348万円で62・2%増加。
 購買事業は売上の大半を占める燃油類や魚箱類、包装資材が休漁によって減少し、供給高は4725万円で2・8%減少した。
 製氷冷凍事業は取扱高1987万円で4・6%減少。不漁とそれに伴う自主休漁、高齢化など複数の問題から出漁機会が大きく減ったと理由を挙げている。
 同年度から正式に取り組みを開始した加工事業は食堂で使用する一次加工品の製造を主として学校給食等への商品提供、調味料の開発・販売なども行い、販売高は1718万円と好調なスタートとなったが、冷凍庫や各種資器材などの初期投資費用も大きく、事業利益は20万円となった。
 観光事業(事業外)は島外学校のハーリー体験は8校1136人、民泊は13校561人などを受入れ、収益は252万円で185%増加した。

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