市議会3月定例会開会に当たって施政方針を示す座喜味市長 =市議会本会議場

「豊かな島づくり」決意 コロナ対応、所得向上も

宮古島市の座喜味一幸市長は、1日に開会の宮古島市議会3月定例会で2022年度施政方針を示し、就任1年で「市民目線・市民ファースト」を基本姿勢に市民のための市政実現に取り組んだことを踏まえ、掲げた公約、市総合計画の施策を着実に推進し「持続可能で豊かな島づくりを目指す」決意を表明した。市政運営では新型コロナウイルス感染症対応をはじめ、市民所得10%向上、地下水・環境の保全・調和、福祉・教育充実と女性活躍推進、より良い行政推進などを基本姿勢に掲げた。

 新型コロナでは感染拡大防止、ワクチン接種の体制整備と追加勧奨、PCR検査体制充実化などにより、「市民生活の安全・安心確保と、経済の振興発展」に取り組む方針だ。22年度でも感染状況を見定めた上で事業者の経営支援、市民の消費促進のための経済対策を実施する。
 市民所得向上で、学校給食への地産食材提供や6次産業化支援で生産物の付加価値を高めて資金を域内循環させ、上野庁舎を農水産物加工・流通拠点とし、農畜産と観光の連携と発展で所得向上につなげる。
 水道水源保全流域の対象事業所規制や土地利用ゾーニングによる水源涵養林区域指定で地下水を保全し、地下水利用可能量の調査を進める。八重干瀬と周辺の自然環境を調査し、国立公園指定、将来的な世界遺産登録に取り組む。エコアイランドとして「2050年ゼロカーボンシティ」を目指す取り組みを推進する。
 福祉は幅広い世代が暮らしやすい環境づくりを推進するとともに、支え合う地域福祉の構築、子どもの貧困対策を掲げた。教育ではICT(情報通信技術)活用の環境整備と教育委員会体制強化、島外派遣渡航費支援を拡充する。男女共同参画計画の施策と目標達成を推進し、女性管理職割合30%達成に段階的に取り組むとしている
 財政的に厳しい運営が強いられる状況の中、施設維持管理コスト削減や事務効率化を推進するとともに、手続きの透明性や公平性の確保を図るため22年度から電子入札システムに切り替える。
 コスト削減で市民サービス低下を招かないよう「市民目線を大事にし、きめ細やかなサービス提供に努める」とし、そのため自治体DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進体制を新たに構築し、手続きのオンライン化を進める。
 座喜味市長は主要施策を示すとともに、「美しい海や豊かな自然、独自の文化・風習・言葉、人と人が支え合う温かさなど、本市が有する魅力を守り・活かし、市民が住み続けたいと思う持続可能で豊かな島づくりを目指す」とし、「市民のための市政実現推進」に理解と協力を求めた。

関連記事一覧