23年の野菜初荷を祝う生産農家や関係者ら =JAおきなわ宮古地区農産物集出荷場

野菜の高値販売祈願 農家、関係者が初荷式

 宮古地区野菜・果樹生産出荷連絡協議会(上地宏明会長)の2023年初荷式が11日、平良西里のJAおきなわ宮古地区農産物集出荷場で行われた、生産農家をはじめ関係者がゴーヤーやカボチャ、トウガンなど18.1㌧の初荷を祝うとともに冬春期野菜の高値販売を祈願した。22年度(22年4月~23年3月)は販売額9億5千万円(前年度実績9億3853万円)を計画。今期は長雨や日照不足、生産資材の高騰など厳しい状況となっている。
 同連絡協の上地会長は「昨年は原油価格の高騰に始まり、肥料や資材が軒並み値上がりするなど生産現場を直撃し、厳しい農業経営を強いられている。10月からの曇天、長雨の影響で特に露地品目は所得の確保が危惧される現状にある」と述べた上で、「行政機関やJAの支援のもと、生産者一人一人の努力を結集して乗り越えていかなければならない。不安定な社会情勢が続く中、持続可能な農業経営、高品質生産、販売市場との信頼強化など高値販売に向け関係機関一体となって強力に取り組んでいきたい」とあいさつした。
 来賓の座喜味一幸市長が「市としても昨年の12月市議会で農家に生産意欲を持ってもらおうと予算措置を行った。今後も情勢を見ながら、農家の生産意欲増進や所得向上のため取り組んでいきたい」、JAおきなわの平安山英克常務が「11月から12月の長雨、日照不足の影響は生産者にとって相当厳しい。JAとしても一生懸命販売していきたい」とそれぞれ激励した。
 初荷を載せたトラックを塩と酒で清めて安全祈願し、全員で万歳を三唱して出発を見送った。
 今冬春期野菜は台風接近や天候不良の影響を受けて露地のカボチャ、ゴーヤーやトウガンなどの施設品目でもほ場の準備ができず定植の遅れがあり、カボチャに関しては曇天や長雨の影響で病害が発生した。各品目とも厳しい生産環境となっているが、徐々に出荷量は増加している。
 11月2日のゴーヤーから出荷が始まり、1月7日までの実績でゴーヤー75㌧、カボチャ1.8㌧、メロン7.8㌧、トウガン8.6㌧、インゲン6.4㌧、オクラ13.3㌧の合計112.9㌧を出荷した。ゴーヤーは例年より単価高となったが、トウガンは他産地との競合はないものの期待した高値にはなっていないという。

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