2023年産の播種を行う下地葉たばこ生産振興会 =下地与那覇

葉たばこの播種始まる 前年大幅減の挽回願う

 2023年産葉たばこの播種式が25日、下地地区と上野地区で行われた。農家や関係者が大幅な減産となった前年産の挽回と豊作への願いを込めて種を播き、今年産の栽培を開始した。JAの育苗ハウスで発芽した苗は12月中旬頃には農家に配布され、鉢上げや中間育苗を経て天候が良ければ1月10日頃から本畑への植付けが始まる。今年産から導入される新品種は脇芽が少なく、省力化に伴う管理作業の充実などが期待されている。
下地葉たばこ生産振興会の播種式は午前8時から与那覇のJA下地支店育苗ハウスで行われ、川満勝広会長が「前年産は梅雨の長雨で疫病が発生して収量が取れなかった。23年産は農家にとって有望な新しい品種が入ってくる。ぜひ大豊作にして笑顔で販売できるようにしよう」とあいさつ。
生産農家たちは砂に混ぜた種を豊作への願いを込めて苗床にていねいに播いていた。今期、下地地区の生産農家数は19戸、栽培面積は70.6㌶。
10月末から長雨が続いてほ場の準備が遅れており、ある農家は「例年なら今月中にはマルチを張り終えているが、長雨でほ場に入れず施肥や畝立てができない。1週間ほど晴れないと作業できず、早く雨が止んでほしい」と話した。
上野葉たばこ生産振興会の播種式は午後3時から野原のJA上野支店育苗ハウスで行われ、太田彰会長が「22年産は雨による被害で大不作となった。23年産は明るい材料として新品種が導入される。初めての品種なので何か気が付けば皆で情報を共有して取り組みたい。新品種で前年産のマイナスを挽回していこう」とあいさつした。
JAおきなわ宮古地区本部の下地誠本部長が「播種したたばこをしっかりと管理して良い苗を作り、23年産が大豊作となってお祝いができることを願っている」、日本たばこ産業(JT)沖縄リーフオフィスの石井三陽所長が「JTとしてもこれまで以上に産地に出向き、畑で一緒にたばこを見ながら話をしていきたい」、上地堅司市議が「素晴らしい新品種が開発されたという。健康に注意し、安全作業で頑張れば23年産は豊作になる」とそれぞれ祝辞や激励を述べた。
同振興会の真栄里晴人青年部長の音頭で「豊作」を三唱。参加した農家たちは増産への期待を込めて播種を行っていた。今期、上野地区の生産農家数は20戸、栽培面積は73.3㌶。
新品種「NS1」は脇芽が少ないため作業の省力化が図れ、管理作業の充実などが期待できるという。下地と上野は栽培面積の5割を新品種に切り替える。

葉たばこの播種を行う生産農家や関係者ら=上野野原

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