漂着した軽石 =高野漁港

高野漁港の軽石、定期除去も「いたちごっこ」

 高野漁港への軽石漂着が未だに続いている。海岸には毎日のように大量の軽石が漂着し、漁港関係者は定期的に清掃しているが「いたちごっごの状態」と話す。漁船のエンジンが軽石で壊れてしまうため漁に出られない漁師も多く、打開策を取れない現状に漁業関係者は頭を抱える。

 軽石は2021年12月に宮古島に漂着して以来、断続的に島内の各海岸に流れ着いている。漁港関係者や地元ボランティアなどが除去作業を進めているが、作業した翌日には新たな軽石が大量に漂着するうえに海岸全体を覆うほど多い量のため、人力での作業には限界があるという。
 漁港関係者によると、除去した軽石は漁港脇に積み上げられているが台風などが来た場合は散乱してしまうという。同港で漁業を営む70代の男性は「行政に軽石の置き場所をどうするのか決めてほしいと言っているが中々決まらないようだ」と肩を落とす。
 また「自分の年齢を考えるともしエンジンが壊れてしまったら、修理するのも大変なので怖くて漁に出れない」と話すなど、軽石被害に悩む漁業者には、もどかしい状況が続きそうだ。

関連記事一覧