多くの観光客が来島したが、感染再拡大への不安も残る=宮古空港

宮古空港、来場客で賑わう 大型連休はじまる

 29日から大型連休がはじまり、宮古空港はゴルフバッグを持った団体や家族連れなどで賑わったほか、搭乗受付には帰省する人などで長い列ができた。全国的に自粛要請が発出されない状態の連休は3年ぶりで、連休期間内のレンタカーや市内ホテルなどはフル稼働状態という。宮古島発着の航空便予約も各路線で前年比100%超えと好調で、我慢を続けてきた行楽地や観光業界は多くの来客に期待を寄せる。一方で市は新型コロナウイルスの感染再拡大を警戒している。市内の新規陽性者が増加するなか、市民や来島者に感染防止対策の徹底を呼びかけており、期待と不安が入り混じる連休となりそうだ。

 連休は最大10日間。午前中の宮古空港には羽田空港や関西空港からの便が到着。多くの観光客が気温に驚きながら島に降り立ち、南国の雰囲気を味わった。
 京都から家族4人で観光に来たという男性は「宮古島は海がきれいと聞くのでとても楽しみ。これから昼食にハンバーガーを食べに行き、あすは八重干瀬でシュノーケリングをする予定」と笑顔で話した。
 また東京から家族でゴルフをしに来たという女性は「宮古島は良いゴルフコースが沢山あるし、海もきれい。2泊3日を目一杯楽しみたい」と話しながら送迎バスに乗り込んだ。
 一方、帰省のため家族で宮城県に向かう男性は「すごい行列に驚いている。実家に帰ったら家族でゆっくりする予定」と述べた。
 市内のあるホテルは3月の段階で連休中の予約は全て満室となり、夏休み以降の予約も既に多く入っているという。担当者は「ようやくお客さんが戻ってきた。コロナ次第だが夏休み期間にも多く予約が入っており、期待したい」とし、別の市内ホテルでも「連休中は7日までパンパンに予約が入っている」と話した。
 航空便の予約状況も盛況だ。JTA(日本トランスオーシャン航空)の発表では4月29日~5月8日の予約人数は、関西―宮古便で233%(前年比)、中部―宮古便で371%(同)など大きく増加し、予約数はほとんどの路線で前年を上回っているという。
 また市内レンタカー会社によると連休中はほぼ満車で、本島から車を借りて運行しているほどの盛況といい、担当者は「人員確保を心配したが何とか回せている」と述べ、別のレンタカー会社も「3月から満車の状態。他社はコロナで台数を減らしたと聞くので、しわ寄せがきているのでは」と分析した。
 一方、宮古島市は人流増加による新型コロナウイルスの感染拡大を懸念しており、28日に座喜味一幸市長が市民や来島者に注意喚起する会見を行い、協力を強く求めた。市内の1週間の新規陽性者は人口10万人当たり900人を超えており、高止まりが続いている。

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