一般外来診療休止について発表する本永院長(右) =県立宮古病院

コロナ感染急拡大 11日から一般外来休止

新型コロナウイルスの急激な感染拡大を受け、県立宮古病院(本永英治院長)は11日から当面の間、一般外来診療を休止する。これまでに同病院では職員5人に新型コロナの陽性が確認され、濃厚接触者なども含めて休業者が増えて現場がひっ迫しつつあることから、今後の入院患者増加に対応できる診療体制の維持と確保が目的。また感染者増加に伴い重症化のリスクも高まるため、医療崩壊を回避するためにも市民に理解と協力を求めた。

 一般外来休止の期間中は原則として電話診療となり、対象者には病院から事前に連絡する。外来化学療法や注射、透析および妊婦健診等の来院が必要な診療、救急は通常通り。不急な検査や予定手術で可能なものは延期するが、急患や緊急手術は行っていく。精神科デイナイトケア、リハビリ外来は休止する。
 同病院では4日~6日に計5人の陽性が確認された。感染経路は4人が院外からの感染者との接触、1人が現在調査中。これを受けて入院患者と職員81人にPCR検査を実施し、全員の陰性を確認した。現在、陽性の職員は自宅療養中、濃厚接触者の職員、主に家庭内での濃厚接触者、体調不良者は自宅で健康管理を行っている。
 7日、記者会見を行った本永院長は一般外来休止の理由について「一般入院患者が増加しており、職員の休業者も増えている。元々看護師は人手が不足しており、ほとんどの病棟の看護体制がぎりぎりの状態。今後、新型コロナの入院患者の増加に対応できる体制を確保し、医療崩壊を防ぐために休止する」と説明。県には応援看護師の派遣を要請している。
 その上で「市民には迷惑をかけてしまい深くお詫びしたい。今後は職員の厳重な自己健康管理と行動変容など感染予防を職員全員で継続して努力、行動したい」と述べた。
 現在の状況について「以前もそうだが最初に若い人が入院し、その家族や市中感染から少しずつ高齢者に広がっていく。全体的に重症化率は低いが、数が増えれば高齢者や基礎疾患がある人などの重症化の確率が高まると危惧している」として感染対策を呼び掛けた。
 また軽い症状での救急外来の利用は控えてもらい、市内の診療所を受診するなど理解と協力を求めた。

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