男児2人が死亡した陸上自衛隊宮古島駐屯地内にある隊員宿舎=宮古島市上野字野原

上野で男児2人殺害

 7日午後3時52分頃、宮古島市上野字野原にある陸上自衛隊宮古島駐屯地に隣接する隊員宿舎に住む女性から「子どもを殺害した」との110番通報があり、駆けつけた宮古島署員が男児2人の遺体を室内で発見した。通報者で母親の介護職員、脇田亜希子容疑者(39)を殺人の疑いで緊急逮捕した。

 逮捕容疑は7日昼ごろ、市上野野原の宿舎で自身の子どもである男児2人を殺害した疑い。県警によると、脇田容疑者が男児2人(5歳と3歳)の頸部付近を圧迫し、殺害したとみて詳しく調べている。司法解剖の結果、被害者2人の死因は窒息によるものと判明している。脇田容疑者は「自宅内で2人の首を絞めて殺害しました」と容疑を認めているという。
 男児2人は警察署員が現場到着時に死亡が確認され、外部から侵入した痕跡はなかった。夫である陸自隊員は、当時外出中で、署員は夫からも事情聴取を行っている。容疑者の家族からのトラブル相談などはなかったという。陸上自衛隊宮古島駐屯地は、2019年3月に新設され、翌年には部隊が増設された。畑が広がる静かな地域だが、今回の事件で状況が一変し、物々しい雰囲気が漂っていた。
 一夜明けた8日、事件現場から少し離れた同宿舎の敷地内にある公園では、遊具で遊ぶ子どもや母親の様子が見られた。付近で農作業を営んでいた男性は「事件はニュースを見て知った。自衛隊内部のことなので、あまり詳しいことは知らない」と話した。近くを散歩していた男性は「のどかな上野地区でこのようなことが起きたのは残念」と語った。現場には、今もブルーシートが敷かれていて、事件の痕跡が残っている。

関連記事一覧