KDDI日本人も関与、モンゴル自然保護区の草原火災…KDDIのずさんな広報体制
10月8日、モンゴルの自然保護区で大規模な火災が発生し、保護区の約8割、東京都の2倍を超える広大な面積が焼失した。希少な野生動物や絶滅危惧種が生息していた場所でもあり、国際問題に発展している。
メディアはしばしば「東京ドーム◯個分」という表現を使うが、今回はそんなレベルではない。焼失したのは「東京都の約2.4倍」だ。
この大火災に日本人が関わっているという。出火原因とみられているのは、KDDI現地子会社「モビコム」の社員らが乗っていた車両だ。乾燥した草原を走行中、車のマフラーに絡まった草から発火し、周囲に延焼したとされる。
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KDDIが「おわび」を発表したのは23日で、火災発生から2週間も経っている。このあまりに遅い広報対応も批判されている。リリースには「モビコムにおいて現時点で確認している事実関係を整理し、公表できる状況となったことから…」とある。地元警察の捜査が入って事件化していることもあり、調整が複雑なのは理解できるが、それにしても遅い。
現場は厳重に管理されている場所なので一般人は立ち入れず、入るには政府の特別な許可が必要だ。モンゴルのジャーナリストが取材を申し込んでも1年くらい待たされるという話もある。研究員や調査員でも馬で行くような場所に、モビコム一行はなぜ車で入っていったのか。
KDDIがリリースを出すまでの2週間に、モンゴルや中国からはさまざまな報道がなされている。モンゴルの地元メディアが「希少な魚を釣るため国会議員同行で保護区に入った」と報道すると、中国の新華社通信がこれを引用して話が広まった。ただ、国会議員本人はこれを否定している。
冷え込んだ日中関係を考えれば、国営の新華社は喜んでこのネタを扱ったのだろう。記事の内容が誇張されている可能性もあるが、日本のオウンゴールであることに変わりはない。
そして、2週間というタイムロスがさまざまな批判やうわさ話を助長した側面は否めない。車に同乗していたモビコムの越智康博社長自身は14日、Facebookに謝罪投稿しているが、「被害が出たことにおわび」というかなりあっさりした文面だった。
KDDIの釈然としない説明
KDDIがリリースで明らかにした「自然保護区への訪問目的」は2つ。①通信ネットワーク開通式典への出席、②通信品質などの現地確認、である。しかし、通信設備の開通式典が行われた国境付近から、火災の起きた自然保護区まで約100キロも離れていたことなどから、現地メディアは「完全な観光目的だったのではないか」という疑念を報じている。
開通式典に社長が出席するのは当然だとしても、一般的に、通信品質の確認は技術部門が行うものであり、社長が同行するものなのか。
KDDIが2016年に子会社化したモビコムは、モンゴルでシェアトップを誇る。リリースには、自然保護区への訪問目的を示す前に、モビコムが現地通信インフラ整備に貢献してきた実績が書いてあり、これが妙に言い訳がましく見える。もっと、ストレートに謝った方が良かったのではないか。
モンゴル政府は責任者に対して損害賠償請求すると明言している。対象はモビコムなのかKDDI本体になるのか今のところ不明だが、請求金額は巨額になるだろう。もし、裁判でもめれば日本のイメージダウンにつながる。日本のメディアが大々的に報じない事件だが、今後に注目したい。
文/横山渉 内外タイムス






