高校生インフルエンサー、社会動かす四條畷学園「TikTok部」が闇バイト撲滅へ大阪府警とタッグ
いま、高校の「TikTok部」が社会課題の解決や地域活性化を後押ししているのをご存じだろうか。
大阪府の四條畷学園高等学校(大東市)では生徒によるSNSでの発信力をいかし、行政や民間企業と連携した活動を展開中だ。
「目指すはフォロワー10万人」。先進的な部活動の最前線に迫ってみた。(内外タイムス・山本智行)
令和の写真部・新聞部
こんな時代ならではということだろう。「TikTok部」という響きは想定内とはいえ、やはり実際に耳にすると驚きを隠せなかった。
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「いままでで言うと写真部や新聞部のようなものでしょうか」
四條畷学園の小山宣宏広報部長は、現代のTikTok部をそう表現する。かつて学校の日常風景をカメラで切り取った写真部や、言葉で伝えた新聞部。その役割が令和の時代において動画プラットフォーム「TikTok」へと形を変えた。
この画期的な部活動が生まれたきっかけは学校の魅力発信を模索していた小山氏がSNS上で生徒に助けを求めたことだった。
「私はインスタをやっていたんですが”TikTok部を作ります。でも、やり方がわかりません”と、投稿をしたんですね。それに反応してきてくれた生徒たちが集まって、1期生ができました」
創部5年目を迎えた現在の部員数は30人と高校のTikTok部としては全国最多の規模を誇る。当初は「学校の行事や日々の活動風景をただ撮るだけだった」そうだが、日を追うごとに取り上げる対象も増え、見せ方もうまくなっていったという。
高い表現力の背景には四條畷学園が持つ独自のカリキュラムが影響したのかもしれない。同校の「総合キャリアコース」などでは、高校生のうちからネイル、メーク、服飾デザインといったファッション領域をプロから本格的に学べる体験型授業を導入。
1年生から「トータルビューティー」に触れ、専門学校とも強力に連携した環境で、生徒たちはセルフプロデュース力を自然と培う。
授業で磨いた「おしゃれ」や「トレンドへの感度」という多芸な武器が、TikTok部でのクオリティーの高い動画制作や、視聴者をひきつける魅力的な演出にそのままいかされているというわけだ。
同世代へ響く「闇バイト撲滅」の訴え
実際に、外部からの反響は大きく、企業からの依頼が相次ぐようになった。これまで大和ハウス工業や近隣のイオンモール、自衛隊などとコラボ。この6月にはお菓子コンテストのPRにも一役買った。
このように多感なこの時期に部活動として社会とのつながりを経験することは有意義なことだ。小山氏も、その点を強調した。
「私自身、ひねた高校生で”先生は社会に出て経験したことがないやん”と思っていた。イオンモールでは日ごろの授業をいかしてフェイスペイントを実施しましたし、いまの高校生は大人と接する機会が意外と少ないので、社会に出る前に様々な業種や多様な価値観を学べるのは素晴らしいこと。また高校生と接することで”企業側も元気になった”と言ってくれています」
単なる部活動にとどまらない生徒たちの発信力はいまや、深刻な社会問題の解決にもいかされている。
少年少女をも巻き込み、凶悪犯罪の温床として連日ニュースを騒がせる「闇バイト」。何と大阪府警からの依頼を受け、この7月14日には「闇バイト撲滅」のPR動画を撮影し、17日には難波・高島屋前の広場で開催されるイベントに参加。若者独自の視点で制作した啓蒙動画をTikTokで広く発信する。
おそらくだが、大人や警察によるお堅い警告動画だと、いまの若者のタイムラインでは簡単にスクロールされ、スルーされてしまいがち。しかし、普段からトレンドを追いかけ、若者の「見たい」を知り尽くした生徒が作る動画なら、同世代のスマホの画面に自然と留まるのではないか。
実際、全国的にも、TikTokを「部活動」として活用する動きは急増している。部活動の裏側を伝える「滝川第二高校(兵庫)」や、ダンス・コメディ-動画でフォロワー13万人を超え、定員割れから大逆転した「倉敷翠松高校(岡山)」などがその代表格。
いまの10代にとって、TikTokは単なる娯楽ではなく、情報収集の検索エンジンであり、自己表現の場、そして社会インフラのひとつともなっている。
現在のフォロワー数は1万人。もちろん、商業的な利益を追うことはしないが、部員たちは「目標はフォロワー10万人」と意気込んでいる。






