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週休2日、髪型自由の先進的指導で千葉県勢51年ぶり甲子園優勝を狙う中央学院、谷佳知・亮子夫妻の次男・晃明にも注目

サッカーワールドカップが盛り上がるなか、第108回全国高校野球選手権大会の地方予選も各地で本格的にスタートする。群雄割拠の千葉大会は4日に開幕。165校(148チーム)が夏の甲子園をかけて頂点を争う。

センバツ4強の専大松戸、連覇を狙う市船橋などの優勝候補とともに、2018年以来2度目の出場を狙うのが中央学院だ。2024年センバツで4強に導いた相馬幸樹監督(47)が「今年の方が攻撃力がある。甲子園は行って当たり前の設定」と自信を見せており、元プロ野球・谷佳知と元柔道・谷亮子夫妻の次男・晃明が所属していることもあって注目度は高い。

大学院でコーチングを学び、シーズンオフは週休2日、髪型自由など先進的な指導法を取り入れている相馬監督に迫った。(内外タイムス・請川公一)

2027年度から近畿学生リーグに参戦、総監督に井戸伸年氏、コーチに佐藤義則氏が就任

谷晃明「父を超える選手になりたい」

千葉県我孫子市にある中央学院のグラウンド。監督室で相馬監督に夏に向けた調整について尋ねると、穏やかな笑みをたたえながら「感触は良いですね。ピッチャーがそろってバランスが良くなってきました」と手応えを口にした。

2024年センバツで耐久、宇治山田商、青森山田を下し、準決勝で報徳学園に敗れたもののベスト4。「あの年の方が野球勘はあったかなと思うんですけど、技術面とかフィジカル面は今年の方が全然ある」と断言した。

注目選手の一人がオリックス、巨人で通算1928安打をマークした谷佳知と、柔道女子48キロ級でシドニー、アテネ五輪を連覇した谷亮子の次男・晃明(2年)だ。90人以上いる野球部員の中で2年生ながら外野のレギュラーをつかみ、相馬監督も「すごくセンスがあります。父親譲りなところがあるんです」とその実力を認める。

尊敬する父親の現役時代の動画を見て参考にしているという谷自身も「(父親から)思い切り自分のスイングをすることが一番と言われています。個人としてはチームに貢献できるような選手になりたいし、チームとしては千葉で優勝して甲子園で勝てるように頑張りたい」と意気込む。

将来はプロを目指しており、「野球を始めたのも父の影響ですし、父を超える選手になりたいです」と瞳を輝かせた。

また、相馬監督の次男・幸大(2年)も強肩捕手として期待されており、話題には事欠かない。

選手に求める高潔性や倫理観

相馬監督は筑波大学大学院で「指導者の葛藤」をテーマにコーチングを学ぶ。「ハラスメントとか、インテグリティ(誠実さ、高潔さ)とかも学んでいます」と話すだけあって、その指導法も先進的だ。

12月から2月末のシーズンオフは週休2日で、それ以外の期間も週1日は必ず休み。校則に違反しない限り髪型も自由だが、単なる放任主義とは違う。

「高校生らしい生活も必要だし、休みは野球から離れても問題ない。勉強もしてほしいし、遊んでほしいし、野球もいっぱいやってほしいし、どれだけ自分で時間をコントロールできるかが重要なんです。人生は野球だけ、甲子園だけじゃないので、スポーツ選手として高潔性、倫理観を高めてほしいと話しています」

「エンジョイ・ベースボール」を掲げた慶応が2023年夏の甲子園で優勝したが、いまだに暴力行為が問題になることもある高校球界では異質と言えるだろう。ともすれば、選手がサボったり、空気が緩んだりする不安はないのだろうか。

「試合に出る出ないにラインを設定して、そこで野球の厳しさを作っています。今の子は真面目。ちゃんと聞く姿勢があるけど、逆に枠から外れることができないし、社会も許してくれない。そこで締め付けていく作業は必要ないというところもありますね」

指導はすべて理論に基づいており、感情に左右されることはない。サボればメンバーから外れ、試合に出られない環境を作ることで、選手たちは自然と自らを律するようになる。

相馬監督「目標は日本一」

相馬監督は市船橋時代、1997年夏の甲子園でベスト8。大阪体育大では、阪神大学リーグ記録となる64回3分の2連続無失点をマークし、社会人野球シダックスでは名将・野村克也監督の指導を受けた。

「自分のキャリアはすごく良い指導者に恵まれました。高校時代の小林徹監督(現習志野監督)は当時からすごく論理的で、怒鳴ることも一切なく、野球をロジカルな視点でお話してくださってました。今もずっと背中を追いかけてる感じですね。野村監督は『人間的成長なくして技術の進歩なし』など名言を多く残され、すごく刺さりました」

かつての指導者からどん欲に吸収し、現在も学ぶ姿勢を失っていないからこそ、その教えは選手たちにも浸透するのだろう。夏に向けての自信は決してハッタリではない。

千葉県勢は甲子園で上位に進出することも多いが、意外にも全国制覇は1975年の習志野が最後。前年1974年の銚子商から2年連続で千葉県勢が優勝して以来、半世紀以上も頂点から遠ざかっている。

「甲子園に行きたいと思ってるうちは難しいでしょう。選手たちにも言ってますが、行って当たり前の設定です。目標は日本一ですね。千葉県勢として一番先に復活させたいなと思っています」

今夏の千葉大会初戦は12日。日大習志野vs市川東の勝者と対戦する。時代の最先端をいく中央学院が旋風を巻き起こすか注目だ。

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